図書館と書店(1)

図書館と書店(1)

muca(2024年8月28日)

 公共図書館の多くが蔵書を日本十進分類法(Nippon Decimal Classification = NDC)で分類しているという。そういう図書館の書架にはこの数字が表示され、該当する本が棚に置かれている。新刊書など、特にアピールしたい本を固定したスペースに置いている図書館も見かけることがあるが、利用者にとってカテゴリーが偏っていないという安心感があり、たとえ開架には見当たらなくても、利用者の少ない分野の所蔵スペースが縮小されているということはありえない。

 借りようと考えていた本が目的に合わないことが分っても、その周りにある本を(実際に内容に目を通して)探せる利点がある。かなり以前に発行された本でも所蔵されているというのが、(それが難しい)書店との相違だろうと思う。目的に叶う情報が1冊の本だけでは足りないこともあり、参考にしたい部分が僅かな本でも、気軽に借り足せるところも図書館のいいところだ。

 時間に余裕があれば当初の目的とは全く異なるジャンルの棚にも立ち寄ることができ、思いもしなかった関心を呼び起こされる本に出合える。
 インターネットで検索したときはこういう偶然の出合いが少ない。入力した言葉が営業戦略で歪められているのではないかと疑ってしまうような本まで表示されるのがせいぜいである。過去に自分が検索したか、リンクを辿ったページに関連するような本が表示されるケースも多く、自分の固定化してしまった興味範囲にあるものだけを見させられているという意識が必要だろう。

 図書館ではこういう干渉もなく、偶然に近い状況で目にし、何が書かれているのかを気のすむまで読んで確かめることができる。この著者が書いたものをもっと読んでみたいと思えば図書館の検索機で探すことができ、たとえ見つからなくても(さらに、この著者が最近に書かれたものを知りたい場合でも)、書店で探してみようという動機になる。
 検討されはじめたものの一つに、図書館と書店の「オンライン蔵書検索システム」があるようだが、目的の本が近隣書店にあるかどうかが分かる仕組みを導入する図書館が増えていけばと思う。