本と映画

本と映画

M・M(2026年1月21日)

 新年を迎え自分の時間をもつことができた。年の瀬は何かと多用であり、じっとしていられない。

 本と映画のつながりは、こちらで書いたことがあるが、又、書きたくなる。

 アイルランドの作家、クレア・キーガン著(鴻巣友季子訳)「あずかりっ子」「ほんのささやかなこと」の二作品を読んだ。どちらも150頁未満の作品である。

「あずかりっ子」

 アイルランドの片田舎。大家族の中でひっそりと暮らす少女は、夏のあいだ、牧場を営む親戚夫婦に預けられることに。いつ帰れるのかも知らされぬまま始まった、見知らぬ家での新しい日々。ところが、少女を待っていたのは、木漏れ日のように優しい夫婦だった。彼らの愛情は、少女がこれまで知らなかった温もりと安らぎに満ちていた。次第に少女は心を開き、豊かな自然と共にに小さな喜びを一つずつ噛みしめていく。しかし、秘密などないはずのその家で、彼女はやがて幸福の影に潜むかすかな亀裂を知ることに……。
本より転載  

 この作品は映画化されアカデミー賞国際長編映画賞にノミネート(2022)された。邦題は「コット、はじまりの夏」。
 私は読後に映画を観た。あぁ、映像で観ると木立や季節のようすがしみる。緑が美しい。風の音、そよぐ景色に癒される。何より少女コットの内面の成長(情緒の安定)が表情にでて良い。これからこの作品を映像で観る人は、是非、読本をおすすめしたい。なぜか?
 この本の結末と映画の結末だ。ここの描き方がどちらも素晴らしい。本で味わって、映像で味わって。久々に秀作を味わった。

「ほんのささやかなこと」

 1985年、アイルランドの小さな町。クリスマスが迫り、寒さが厳しくなるなか、石炭と木材の商人であるビル・ファーロングは最も忙しい時期を迎えていた。ある日、石炭の配達のために女子修道院を訪れたファーロングは、「ここから出してほしい」と願う娘たちに出くわす。修道院には、未婚で妊娠した娘たちが送り込まれているという噂が立っていたが……隠された町の秘密に触れ、決断を迫られたファーロングは、己の過去と向き合い始める……。
本より転載  

 この作品は本年3月20日より「決断するとき」の邦題で上映される。商人の男性ファーロングの性格の良さはどのように描かれているのか(内容は重厚)。主演の男優は様々な演技を魅せてくれている演技派だ。

そして最後に…

100de名著」のテキストを読む家人にならって、故 安医師の「心の傷を癒すということ」の本を知った。内容の始まりは1月17日のことである。その日、私は九州のある病院にいた。自身の体調の問題だ。院内歩行が可能になると毎朝売店に行き新聞を購入した。「これは大変なことになった」新聞の写真を見て身震いが止まらない記憶がよみがえる。忘れることはない。この本は様々なプロセスをへて映画「心の傷を癒すということ」になり2021年劇場で公開された。家人けいゆで知ったこの作品(本と映画)は、私自身のこととして心を落ち着けてこれから観たいと思う。