マルレーン・ハウスホーファーの短編
muca(2026年5月20日)
淡々と語り、特に面白く書こうとしていないように感じさせながら、私をなんとなく笑わせてしまう。
マルレーン・ハウスホーファーのこの短編集が私にはいきなり面白く、だからこの表題が気になってしかたがない。
それにしても紛らわしいタイトルに思うが、人を殺しにやってきたと解釈した私が慌て者だったらしい。「人殺しは」という言い方に連続的な犯罪者のような印象を持つのは私の勝手な思い込みかもしれない。
その1遍も不思議な感覚をもたらしてくれたので、なんとなく納得できて読書意欲を維持できるのが楽しい。
検索してみたが大津市立図書館にはマルレーンの有名な長編「壁」はなく、書店に寄った時の覚書として、スマートフォンの「メモ」に追記しておいた。
マルレーン・ハウスホーファーのこの短編集が私にはいきなり面白く、だからこの表題が気になってしかたがない。
「少女時代の思い出」の数編で、マルレーンの少女時代をはらはらさせられるような思いで読んだ。たちまち彼女の描く世界に惹きこまれてしまう。少々変わり者の少女の考えることと行動が私に「ああ、若い娘というのはこんな発想をすることもあるのか」と不思議な、それでいてなるほどとも思わせてくれるのだ。
この8編に続く「大人の生活」の最初の1編も微笑ましい余韻があった。そしてその2つ目が本の表題にされた「人殺しは夕方やってきた」である。
人殺しは15年前に親戚のおばあさんの家にやってきたのだった。連続殺人ではなく、金を返さない男に(これまでも、用立てた金を返さない男に、何度か壜を投げつけたことがあったが)果実酒の壜を投げつけたら、今回は瓶の方が相手の頭より強かった。このユーモアが(早めに書かれているので)決して深刻な話ではないことを知る。
それにしても紛らわしいタイトルに思うが、人を殺しにやってきたと解釈した私が慌て者だったらしい。「人殺しは」という言い方に連続的な犯罪者のような印象を持つのは私の勝手な思い込みかもしれない。
その1遍も不思議な感覚をもたらしてくれたので、なんとなく納得できて読書意欲を維持できるのが楽しい。
「戦争の影」の9編が最後で、不安と危険がつきまとう生活の重苦しさにはらはらさせられるが、決してそれだけを語ろうとしているのではないことが私を暗闇に置いたままにしない。
これを訳した松永美穂はマルレーンのいくつかの短編集から選んだらしい。本の表題が「マルレーン・ハウスホーファー短編集」とでもされていたら、私は先入観を持たずに読み始めることができたし、全体として何が書かれているのかを、素直に感じとろうとしながら読めただろうと思う。
読者を惹きつけるための表題に文句をつけるつもりはない。本を手にとったなら、書かれている内容にさっと目を通して選ぶべきは私の方だ。けれど、選んだこれが(たとえ思い違いがあったとしても)私に新しい刺激を与えてくれたことにほっとする。
検索してみたが大津市立図書館にはマルレーンの有名な長編「壁」はなく、書店に寄った時の覚書として、スマートフォンの「メモ」に追記しておいた。