図書館の運営

図書館の運営
麻(2026年7月15日)

 先日、レファレンス窓口の司書さんに当市の市立図書館運営の実態について30分ほどお話を伺いました。
 私は現役時代からいろんなことを考えたり、対策を講じたりする場合には資料や書類さらには関係する書物を十分に読み込み、理解した上で「ところで現実はどうなっているのか、現場ではどのようにしているのか」ということを、現場のベテラン社員に事細かく聴くのを常としていました。現役時代の経験ではこのように事前勉強をした上での真摯な具体的な質問に対しては、この道何十年というベテラン社員から私の上司のような年齢の幹部社員まで親切に、事細かくいろいろと教えて下さいました。中には「会社のルールではこうなっているが、それではあまりにも硬直的なのでこのように変えて運用している」「会社の規則では何も決まっていないが、最悪時を想定してこのような対策を講じている」というようなことまで教えて貰ったこともあります。

 司書さんに「図書館の運営の実態、現実について教えて下さい」などという抽象的な質問をしても、答えに困られるでしょう。「○○について差し支えない範囲で教えて下さい」と聞いても質問者がどの程度の知識を有しているのか分からないと適切な答ができません。
 そこで私は最初に「私が知っていること、勉強し理解したと思っていること」と「具体的な質問事項」を3頁ほどのメモに纏め、最初にそれを読んでもらうことにしました。私がお話をしてもよかったのですが、口頭説明すると時間を取るだろうし、すぐ横には書架もあり図書館に来ている他の人びとの迷惑になることもあるだろう、と思ったことが理由です。

 そのメモには「私が理解していること、知っていること」について、①指定管理者制度については地方自治法244条の2(公の施設の設置、管理及び廃止)の解釈から勉強したこと、②その勉強の際には図書館が所有している図書4冊(その中には私が理解できないデータを駆使した学術書もありました)を丁寧に読み、③図書館実務についても現在の一般的な実務が具体的に書かれた論集を読んだこと、④選書方法については過日立ち話で図書館職員から幾つか教えて貰った内容、等を書き、質問事項として5つの質問を書きました。

 その内容をここに詳述することは相応しくないと思い避けますが、司書さんは全ての質問に対し丁寧に具体的に教えて下さいました。私の関心の一つであった指定管理者制度に関しては、市内の9館1分室のうち「図書館・公民館・児童館の複合施設だったり、公園と図書館との一体活用を目的としたりする」3館についてはその対象としていることを知りました。
 ただ選書の具体的な方法、実務については少し口を濁されました。私も敢えて追加の質問を差し控えました。多分、現在の方法が「現時点ではやむを得ないが、あまり適切ではない」と思っておられるのでしょう。過日の立ち話で聞いた具体的な実務内容から私はそのように想像しました。

 このとき、私が知らなかった制度としてPark-PFIを教えて貰いました。市内にある大きな公園とその敷地内にある図書館をこの制度を活用して一体的に管理を委託しているとか。何十年も前にちょっとPFI(Public Finance Initiative)を勉強した身には懐かしく思ったことです。
 いずれにしても具体的に実務の実態、実情を知ったことは、「知ったところでどうなんだ」と言われそうですが、よかったと思っています。

 最後に市立図書館の保有図書についての余談です。かつて興味本位でディオニュシオス・アレオパギテス著の「天上位階論」を調べたときにそれを含んだ21巻からなる「中世思想原典集成」(上智大学中世思想研究所、平凡社)を市立図書館が保有していることを知り、感激したことがあります。その時に、このような特殊と思われるような本をどのように考えて蔵書の一部にしたのか、ちょっと知りたくなったことを思い出して聞いてみました。「寄贈された本ですか」と聞いた私に、司書さんは入手の経緯を検索し「図書館の判断で購入しました。市民の要望があろうとなかろうと」とこともなげに答えられました。