ふと一つの疑問が起こりました。図書館ではどのような方法で購入する書籍を選んでいるのだろうか、そして誰が十進分類法に基づく分類をし必要な番号を付しているのだろうか、といろいろ気になりました。また、図書館の本には図書ラベルやICタグなどが貼られ、透明のカバーでコーティングされていますが、この作業は誰がしているのだろうかということも。
総務省統計局のデータによりますと、令和5年には学習参考書を除き年間59,679点が発行されています。現実問題として毎日発行される数多くの書物を手に取って選ぶことは不可能です。
図書館の蔵書関係業務に関しては株式会社図書館流通センターや同社と同じような業務をしている会社の係わりが大きいという話を聞いたことがあります。そこで、どのような業務をしている会社なのか図書館流通センターのホームページを一読し、ウィキペディアを眺め「図書館流通の中心的な存在であり‥‥‥」との紹介を知ったことです。
これらにより知ったことの一つに図書館流通センター社が「前週に国内で刊行された書籍をすべて掲載した『週刊新刊全点案内』誌を毎週発行し、推薦する書籍を(図書館に)紹介している」ことがありました。「ふーん、便利なものがあるのだなあ」「内容の概略は書かれているのだろうか」「(内容の概略が書かれているとすれば)それはどの程度の文字数のもので誰が書いているのだろうか」「誰がどのような基準で推薦しているのだろうか」などと心の中で思ったことです。
二つ目の疑問は「本が棚に並ぶまで」の作業についてです。これは2018年4月にみすず書房から発刊された「公共図書館の冒険(副題は未来につながるヒストリー)」の論集によって知りました。この論集はオルタナティブ図書館史研究会の成果をメンバーが共同執筆したものです。
その中の「本が棚に並ぶまで」には、①本の選択、②購入、③受入、登録、④本のデータ作成、⑤本に図書ラベルとバーコード・ラベル(あるいはICタグ)を貼り、透明のカバーでコーティング、⑥データをオンラインの目録に登載、⑦書架に並べる、という作業が必要だと述べており、④の作業と⑤の作業は、現在では図書館流通センターを含む民間会社が請け負い、結果として図書館は、データ作成、図書ラベルとバーコード・ラベル(あるいはICタグ)が貼られ、透明のカバーでコーティングされた本を受け入れ、利用者へ提供することができるようになったと書いています。
ということは、司書を始め図書館での各種業務に従事している人にとって現実の書籍を手に取ることなく、新刊の案内書を眺めて、自館に適当だと思われる本を選び、それを発注すれば十進分類法に基づき分類され、必要な番号が付された形で本が図書館に届く、ということになりそうです。図書館は届けられた書籍に自館の管理番号を付記するかも知れませんが「現実に手に取ったこともない新刊書が整理番号が付された状態で送られてくる。そして送られてきた本をそれぞれに付された番号に従って棚に並べるだけ」ということになっているのでは、と少し疑問を抱きました。
業務の効率化と言えばその通りですが、現実に手に取ったこともない、目を通したこともない書籍を図書館の蔵書として選ぶ、自らが一読することもなく他人の分類をそのまま信頼して書棚に並べる、ことにつき“これでいいのだろうか”とも思います。このような思いをすることは現実を知らない者の戯言(ざれごと)と言われればそのとおりかも知れません。が、ちょっと気になっています。
私がいつも利用している図書館のこれらについての実態とそれに対する意見は司書さんに聞けば教えて下さるでしょうが、何となく躊躇われます。
この文章をここまで書いて、最後に思ったことはやはり「他人の眼ではなく自分の眼を信用する」ことに尽きると言うことですが「自分の眼」が信用に値するかどうかの判断基準は何なのか、またまた堂々巡りしそうです。