寄り道
「図書館に 寄り道したる 四月かな」
朝のコーヒーを手に、何気なく「毎日俳壇」を眺めていて目に止まった句である。選者は大峯あきらさん。作者は枚方市の中村輝雄さん。年齢は記載されていない。選者の評は「所用をすませたあと図書館に寄ったのである。四月の季節感がつかまれている」
若葉がそよぐ暖かく晴れた長閑な日には、図書館大好き人間は、何を借り出すという目的もなく、何を読むという思いもなく、書物の顔をちょっと眺めようという位の軽い気持ちで、散歩を兼ねて図書館に行きたくなる。このような気持ちのいい日に、所用をすませた後にちょっと寄り道したくなった作者の気持はとてもよく分かる。
作者が寄り道したのはどのような図書館だったのだろうか。
公園に隣接して新しく造られた、ガラスをふんだんに使い採光が充分で、窓を通して建物の周囲の緑が目に優しく映る閲覧室がある図書館なのだろうか。そこには、ひょっとしたら座り心地のよいソファが置かれているかも知れない。
それとも、隣には公民館などの公共施設が建っていたりする、交通至便の場所にあるビルがそれなのだろうか。
作者は寄り道をした図書館で何をしたのだろう。「いづれのおほん時にかと読む長閑かな」(松根東洋城)や「いずれのおほんときにや日永かな」(久保田万太郎)に倣って久し振りに源氏物語を手に取ったのだろうか。それとも、最近なんとか賞に選ばれ評判になっている小説を借り出したのだろうか。あるいは、書棚を順番に眺めそこから醸し出される知的な刺激を一身に受けて、満足して帰路についたのだろうか。
私は、大規模書店の本棚や雑然とした古本屋の書棚を眺めることが大好きだったかつての自らの経験から判断し、作者も特に何をするという目的もなく、気持ちの赴くまま図書館の幾つかの棚を眺めて、その雰囲気を楽しみ我が家に足を向けられたのだろうと推測している。
所用をすませた後に、図書館に足を向けようと思われた作者のいろんな意味での余裕のある豊かな人生と、多くの人がそれぞれの思いで愉しみや学びを享受することを可能にしている図書館に乾杯。
朝のコーヒーを手に、何気なく「毎日俳壇」を眺めていて目に止まった句である。選者は大峯あきらさん。作者は枚方市の中村輝雄さん。年齢は記載されていない。選者の評は「所用をすませたあと図書館に寄ったのである。四月の季節感がつかまれている」
若葉がそよぐ暖かく晴れた長閑な日には、図書館大好き人間は、何を借り出すという目的もなく、何を読むという思いもなく、書物の顔をちょっと眺めようという位の軽い気持ちで、散歩を兼ねて図書館に行きたくなる。このような気持ちのいい日に、所用をすませた後にちょっと寄り道したくなった作者の気持はとてもよく分かる。
作者が寄り道したのはどのような図書館だったのだろうか。
公園に隣接して新しく造られた、ガラスをふんだんに使い採光が充分で、窓を通して建物の周囲の緑が目に優しく映る閲覧室がある図書館なのだろうか。そこには、ひょっとしたら座り心地のよいソファが置かれているかも知れない。
それとも、隣には公民館などの公共施設が建っていたりする、交通至便の場所にあるビルがそれなのだろうか。
作者は寄り道をした図書館で何をしたのだろう。「いづれのおほん時にかと読む長閑かな」(松根東洋城)や「いずれのおほんときにや日永かな」(久保田万太郎)に倣って久し振りに源氏物語を手に取ったのだろうか。それとも、最近なんとか賞に選ばれ評判になっている小説を借り出したのだろうか。あるいは、書棚を順番に眺めそこから醸し出される知的な刺激を一身に受けて、満足して帰路についたのだろうか。
私は、大規模書店の本棚や雑然とした古本屋の書棚を眺めることが大好きだったかつての自らの経験から判断し、作者も特に何をするという目的もなく、気持ちの赴くまま図書館の幾つかの棚を眺めて、その雰囲気を楽しみ我が家に足を向けられたのだろうと推測している。
所用をすませた後に、図書館に足を向けようと思われた作者のいろんな意味での余裕のある豊かな人生と、多くの人がそれぞれの思いで愉しみや学びを享受することを可能にしている図書館に乾杯。