「コクリコ」から思い出すこと
妻との何の会話からだっただろうか、コクリコという言葉が口から出た。同時に、学生時代に友人宅を訪ねた時に、いつもその母堂が出して下さったケーキの箱に書かれていたコクリコという店名と「君もコクリコ、われもコクリコ」というフレーズが、頭の中に蘇った。「コクリコ」とは「ひなげし(雛芥子、雛罌粟)」のことである。
このことを契機として蘇った記憶、「コクリコ」に纏わる諸々を思い出すままに書き連ねる。
最初は洋菓子店の名前の「コクリコ」とは何か知らなかった。が当時大学生で第2外国語をフランス語として勉強していたことからフランス語らしいと気が付き調べたところCoquelicot であり「ひなげし」であることが解った。
「君もコクリコ、われもコクリコ」はシベリア鉄道で大陸を横断し、夫与謝野鉄幹の許を訪れた妻与謝野晶子がフランスで作った短歌「ああ皐月(さつき) 仏蘭西(フランス)の野は火の色す 君も雛罌粟(こくりこ)われも雛罌粟(こくりこ)」(日本の詩歌4、夏より秋へ)である。
ひなげしは、ヨーロッパ原産のケシ科の一年草であるが、英語ではポピー (Poppy)、スペイン語ではアマポーラ(Amapola)と呼ばれる。日本語の虞美人草(グビジンソウ)もこのひなげしのことである。
この虞美人草という名は、中国・秦の時代の武将・項羽の愛人であり、項羽が四面楚歌の状況になったとき自ら命を絶った虞美人を葬った墓地に翌年赤く咲いた花がこれであった、という有名な伝説に由来する。
同じように思い出すひなげしは、クロード・モネの「アルジャントゥイユのひなげし」(Coquelicots a Argenteuil)であり、アグネスチャンの「ひなげしの花」(作詞:山上路夫、作曲:森田公一、編曲:馬飼野俊一)であるが、これらは省略。
序に、芥子(ケシ)については、麻薬のアヘンの原料となる種があるため、その栽培に注意する必要がある。
このこととの関連で思い出すのは、かつて訪れた京都市立植物園では、栽培が禁止されているケシは金網で囲った場所で展示されていたことや、河原に生えていた野生のケシの中に、栽培禁止種が含まれていた、とのテレビや新聞の報道である。
厚生労働省は「けしの仲間(ケシ属植物)は、春から夏にかけて色あざやかで美しい大きな花を咲かせるものが多く、ガーデニングや切り花用の植物として人気があります。しかし、けしの仲間には、法律で栽培が禁止されているものがあります」と注意を喚起し「これらは、外観の特徴から、園芸用のけしと区別できます。けしの仲間を正しく見分けましょう」と写真入りのパンフレットで教えてくれている。
最近の私のウオーキング道にも野生の芥子が咲いており、近くの保育園から散歩に来ている幼子が飽きずに眺めているのを見ることもある。
花の名前について触れた際には、花言葉を書くのが常識だろう。「恋の予感、いたわり、思いやり、陽気で優しい、忍耐、妄想、豊饒」とあった。
このことを契機として蘇った記憶、「コクリコ」に纏わる諸々を思い出すままに書き連ねる。
最初は洋菓子店の名前の「コクリコ」とは何か知らなかった。が当時大学生で第2外国語をフランス語として勉強していたことからフランス語らしいと気が付き調べたところCoquelicot であり「ひなげし」であることが解った。
「君もコクリコ、われもコクリコ」はシベリア鉄道で大陸を横断し、夫与謝野鉄幹の許を訪れた妻与謝野晶子がフランスで作った短歌「ああ皐月(さつき) 仏蘭西(フランス)の野は火の色す 君も雛罌粟(こくりこ)われも雛罌粟(こくりこ)」(日本の詩歌4、夏より秋へ)である。
ひなげしは、ヨーロッパ原産のケシ科の一年草であるが、英語ではポピー (Poppy)、スペイン語ではアマポーラ(Amapola)と呼ばれる。日本語の虞美人草(グビジンソウ)もこのひなげしのことである。
この虞美人草という名は、中国・秦の時代の武将・項羽の愛人であり、項羽が四面楚歌の状況になったとき自ら命を絶った虞美人を葬った墓地に翌年赤く咲いた花がこれであった、という有名な伝説に由来する。
同じように思い出すひなげしは、クロード・モネの「アルジャントゥイユのひなげし」(Coquelicots a Argenteuil)であり、アグネスチャンの「ひなげしの花」(作詞:山上路夫、作曲:森田公一、編曲:馬飼野俊一)であるが、これらは省略。
序に、芥子(ケシ)については、麻薬のアヘンの原料となる種があるため、その栽培に注意する必要がある。
このこととの関連で思い出すのは、かつて訪れた京都市立植物園では、栽培が禁止されているケシは金網で囲った場所で展示されていたことや、河原に生えていた野生のケシの中に、栽培禁止種が含まれていた、とのテレビや新聞の報道である。
厚生労働省は「けしの仲間(ケシ属植物)は、春から夏にかけて色あざやかで美しい大きな花を咲かせるものが多く、ガーデニングや切り花用の植物として人気があります。しかし、けしの仲間には、法律で栽培が禁止されているものがあります」と注意を喚起し「これらは、外観の特徴から、園芸用のけしと区別できます。けしの仲間を正しく見分けましょう」と写真入りのパンフレットで教えてくれている。
最近の私のウオーキング道にも野生の芥子が咲いており、近くの保育園から散歩に来ている幼子が飽きずに眺めているのを見ることもある。
花の名前について触れた際には、花言葉を書くのが常識だろう。「恋の予感、いたわり、思いやり、陽気で優しい、忍耐、妄想、豊饒」とあった。