キチンと読むこととボンヤリ眺めること

キチンと読むこととボンヤリ眺めること

KEI(2022年10月12日)

 最近の目の衰えが原因だろうと勝手に自らに都合のいい理由を付けているが、書籍や新聞の文章について読んでいるのではなく、単に眺めているのではないか、と少し気になっている。
 具体的に書かれている書籍の内容や新聞の記事に関して、書かれている内容を簡単な言葉に纏め、そこに私の意見を追加して抽象的に妻に話すと、妻から具体的なことに関しての質問が返ってくる。
 が、私はその具体的な事実についての質問というか疑問に直ぐには答えられず、書かれた内容を再度チェックし補足のうえ返事をすることになる。ということは私は書かれた具体的内容を何も読んでいない、理解していない、単に文字面を眺めていた、具体的な事実やデータを横におき現象面だけを抽象的に捉えていたに過ぎないということに連なりそうだ。
 いわゆる5W1H「When(いつ) Where(どこで) Who(誰が) What(何を) Why(なぜ)How(どのように)」を横に置いているようだ。
 このような読み方では例えばある本についてその感想を他人に話すこともできないし、感想を述べたとしても時には一言で終わってしまい話が膨らまず話題にもならない。
 最近では意識してこれら具体的な事実を頭に入れようとしているが、これがなかなか難しい。直ぐに「何が起こったか」「何が言われているか」でいいじゃないか、それが大事なことだろう、と思い具体的内容を飛ばしてしまう。
 文章や単語をきっちりと読んでいない例として最近知った固有名詞の問題がある。
 カメラのキャノン株式会社の正式社名は「キャノン」ではなく「キヤノン」で、ゴム印のシャチハタ株式会社の正式社名は「シャチハタ」ではなく「シヤチハタ」で、マヨネーズのキューピー株式会社は「キューピー」ではなく「キユーピー」で、OA機器の富士フィルム株式会社は「富士フィルム」ではなく「富士フイルム」で、シャッターの三和シャッター工業株式会社は「三和シャッター」ではなく「三和シヤッター」だとは知らなかった。
 何れの会社も正式社名では、小文字の「ャ」や「ュ」や「ィ」やではなく、大文字の「ヤ」「ユ」「イ」を使っている。
 発音は富士フイルムを除き、小文字のときと同じでいいようだ。これらの会社が小文字を使わず大文字を使う理由は見たときのバランスにあるようだが、本当のところは知らない。私の探し方が下手なのか、各社のホームページからはその理由を知ることはできなかった。
 いままでは、このことを知らずにいた。もし、これらの会社が私が勤務していた会社の取引先あるいは関係先であったなら注意していただろうが。
 マッキンリー(最近ではデナリというそうだが)で行方不明になった世界的な冒険家である植村氏の名前は「ナオミ」だとは知っていたが、漢字ではどのように書くのが正しいのかは考えたことはなかった。
 何年か前の新聞の「植村直己、直已、直巳」との見出しのコラムには「彼の戸籍名は『直已』。両親がへび年生まれにちなんで『直巳』と届けたが、役場が間違え『直已』とした。大学生になった植村は『へび(巳)よりおのれ(己)が格好いい』と『直己』と改名した」とあった。
 ということは、植村氏に関してはどのように書いても一応理由を付けられる、ということになろうか。私のパソコンで「うえむらなおみ」と打ち、変換すると第一の候補として「植村直己」が出る。