小さなかわいい文庫木戸文庫
小さな木戸文庫は、湖西線志賀駅を降りて5分ほどの所、ムラの神社参道横の木戸会館の中にある。月に一回、10時半~11時半まで開館という小さな文庫だ。前半の30分はお話会、後半は本を借りる・選ぶ時間だ。特別大きな宣伝もされていないで、自治会ゴミカレンダー隅に遠慮深く予定が書いてある。会館の玄関を入ると手作りの文庫の札が置いてある。知る人ぞ知る文庫、口コミで利用者さんが通ってくる文庫だ。
2月17日の文庫開館日は朝から雪が降る冷たい日だった。玄関を入ると大人の靴の横に小さい靴が。左右逆になって置かれている小さい靴が何ともかわいらしい。今日の文庫訪問者の姿が想像できた。スタッフさんの読み聞かせの声が心地良く響いている。お母さんと子どもの二組の参加だった。
八畳ほどの畳の部屋にはスチールと木製の本箱がいくつもあり、そこには子ども用の本がギッシリ並んでいた。草の根文庫の時代の本、和邇図書館のリサイクル本、各方面からの寄贈本だそうだ。自治会からの補助金や他の補助金を利用して新刊図書もそろえるとか。今年度は、滋賀県子ども文庫連絡会の紹介で「公衆電話会」から23冊の新しい絵本の寄付をもらえるということだ。「和邇図書館の絵本コーナーより、こちらが充実してるのですよ。新刊も多くて」とスタッフさんの言葉。本当にそう思った。
この木戸文庫の歴史は古くて、竹村知事時代の文化振興策の中で「各地に草の根文庫を作ろう」という取り組みで生まれた。「草の根木戸文庫」と言った。時間を経る中で変わってきて、一時閉館状態になったが、本の管理をずっとされていた方がいた。その後、今のスタッフ達を中心にして17年ほど前に生まれ変わり、読み聞かせと本の貸し出し活動が再度始まった。名前も「木戸文庫」となった。その「木戸文庫」も当初は夕方開館の小学生向けの活動だったけれど、子どもたちの成長に伴って利用者も減ってきた。そこで、現在の形の「幼児向け 月一回 1時間」になったとのことだ。短時間の活動だけど、その後もお母さん達とスタッフとの話や時には子育て相談の時間にもなるという。「小さい文庫だけど役割はとっても大きい」ことを感じた。
開館時間の終わり頃に一組の子どもづれのお母さんがやってきた。「遅くなっちゃって。今日は本を返しにきたので」と。そのお母さんに向かってスタッフが「はい。これ」と一冊の本を手渡した。「わー!いいですか」とお母さんの喜ぶ声。どういう本をこのお母さんは求めているのかということを理解していて、これを読んで欲しいというスタッフの思いを見た。思わず「そうよね。これなんだわ、必要なのは」と心の中で私は叫んだ。
「この子たち、ちゃんとストーリーも分かってしっかり聞いてくれるのですよ。私は、あの本棚の2段目くらいの本を読むようになって欲しい。今は、そのきっかけづくりのつもりです」と。2段目には小学生が一人で夢中になって読むだろうという本が並んでいた。「本箱もいっぱいなので、ズッコケシリーズをそろそろ処分しようかと」みんなの手に触れられてヨレヨレになっているようなズッコケシリーズ。我が子もこのシリーズで育ったなと思い返した。メモ書きを手渡してくれたが、その裏を見ると「選書会用紙」とあり「本の名前と自分の名前を書いてください」と印刷されていた。こうやって、広くみんなの声を聞いて選書されていることを知った。
地域の小さい文庫活動。とっても大きい貴重な活動だと思う。たとえ、月一回でも待っている子どもがいる、親がいる。
滋賀県の図書館が全国でも有名になった歴史の中で、こうした草の根文庫活動や個人の文庫活動がある。それが今も受け継がれていること。それを発信したいとつくづく思った。
2月17日の文庫開館日は朝から雪が降る冷たい日だった。玄関を入ると大人の靴の横に小さい靴が。左右逆になって置かれている小さい靴が何ともかわいらしい。今日の文庫訪問者の姿が想像できた。スタッフさんの読み聞かせの声が心地良く響いている。お母さんと子どもの二組の参加だった。
八畳ほどの畳の部屋にはスチールと木製の本箱がいくつもあり、そこには子ども用の本がギッシリ並んでいた。草の根文庫の時代の本、和邇図書館のリサイクル本、各方面からの寄贈本だそうだ。自治会からの補助金や他の補助金を利用して新刊図書もそろえるとか。今年度は、滋賀県子ども文庫連絡会の紹介で「公衆電話会」から23冊の新しい絵本の寄付をもらえるということだ。「和邇図書館の絵本コーナーより、こちらが充実してるのですよ。新刊も多くて」とスタッフさんの言葉。本当にそう思った。
この木戸文庫の歴史は古くて、竹村知事時代の文化振興策の中で「各地に草の根文庫を作ろう」という取り組みで生まれた。「草の根木戸文庫」と言った。時間を経る中で変わってきて、一時閉館状態になったが、本の管理をずっとされていた方がいた。その後、今のスタッフ達を中心にして17年ほど前に生まれ変わり、読み聞かせと本の貸し出し活動が再度始まった。名前も「木戸文庫」となった。その「木戸文庫」も当初は夕方開館の小学生向けの活動だったけれど、子どもたちの成長に伴って利用者も減ってきた。そこで、現在の形の「幼児向け 月一回 1時間」になったとのことだ。短時間の活動だけど、その後もお母さん達とスタッフとの話や時には子育て相談の時間にもなるという。「小さい文庫だけど役割はとっても大きい」ことを感じた。
開館時間の終わり頃に一組の子どもづれのお母さんがやってきた。「遅くなっちゃって。今日は本を返しにきたので」と。そのお母さんに向かってスタッフが「はい。これ」と一冊の本を手渡した。「わー!いいですか」とお母さんの喜ぶ声。どういう本をこのお母さんは求めているのかということを理解していて、これを読んで欲しいというスタッフの思いを見た。思わず「そうよね。これなんだわ、必要なのは」と心の中で私は叫んだ。
「この子たち、ちゃんとストーリーも分かってしっかり聞いてくれるのですよ。私は、あの本棚の2段目くらいの本を読むようになって欲しい。今は、そのきっかけづくりのつもりです」と。2段目には小学生が一人で夢中になって読むだろうという本が並んでいた。「本箱もいっぱいなので、ズッコケシリーズをそろそろ処分しようかと」みんなの手に触れられてヨレヨレになっているようなズッコケシリーズ。我が子もこのシリーズで育ったなと思い返した。メモ書きを手渡してくれたが、その裏を見ると「選書会用紙」とあり「本の名前と自分の名前を書いてください」と印刷されていた。こうやって、広くみんなの声を聞いて選書されていることを知った。
地域の小さい文庫活動。とっても大きい貴重な活動だと思う。たとえ、月一回でも待っている子どもがいる、親がいる。
滋賀県の図書館が全国でも有名になった歴史の中で、こうした草の根文庫活動や個人の文庫活動がある。それが今も受け継がれていること。それを発信したいとつくづく思った。