「アメリカ50州を読む地図」
CNN放送の同時通訳付画面でアメリカ大統領選挙報道を眺めていた。50州が赤と青に塗り分けられるのを見つつ、各州の位置関係やそれぞれの特徴についてあまりにも漠然たる知識、「当たらずといえども遠からず」程度の認識しか有していないのに改めて気が付いた。
アメリカ全土の地図を見たのが契機になったのか、何年か前に、アメリカの50州について各州6頁でそれぞれの州の個性、政治、経済、文化、風土について興味深く説明している本を古本屋で買った記憶が蘇った。当時は全州を丁寧に読むこともなく、関心のある州だけ読んだことも思い出した。書庫から探し出したその本が浅井信雄氏の「アメリカ50州を読む地図」(新潮文庫)である。
ちょっと古い本であることから、時代遅れになっていないかと危惧し、読書に関するサービス・ツール「読書メーター」の感想・レビューの欄を検索した。2020年に2つの投稿があることから、未だ読まれていることを知った。多分同じようなコンセプトの書籍がその後は出版されていないのだろう。
著者は新聞社のワシントン支局長時代に「米国という国は、地方に何かがある」と感じ地方をじっくりと調べた。その結果がこの本である。
著者が書いているように米国は多様な国であって、ワシントンDCやニューヨークだけがアメリカではない。米国滞在が長いある人物は「スーツを着てネクタイを締め昼食にはワインを飲むワシントンやニューヨークの人々とだけ会っていると、作業着に身を包み、トラクターを運転し、昼食にはビールをガバガバと飲む(彼はそう言う表現をした)農業地帯の人々のことは何も分からない」と言った。
ということで、今回も選挙戦で注目されている州を中心に再読した。
米国独立史の原点であるフィラデルフィアのあるペンシルベニア州は「過去の栄光を懐かしみ没落を嘆く大人口」、“アイオワを制するものは大統領選を制する”と言われるアイオワ州は「四年に一度注目されるA級土壌の地」、アラスカに次いで最大の面積を誇る(日本の1.7倍強)テキサス州は「個人的能力を重視して、『限りなき躍進』」、サンベルト工業地帯の一角を形成しているアリゾナ州は「グランド・キャニオンと豊かな老後生活」といった具合に一言で特徴を説明する。
ちなみにワシントンDCについては「緑豊かな公園都市に増大一途の貧者たち」とし、その都市社会の構造を「西は北で東は南だ」という。地球規模の南北格差における南はワシントンDCでは東の地域が該当し、北は西の地域にあたるそうだ。(315頁~316頁)
あとがきで著者はラスベガスのカジノについて、家族で訪れたそこでの経験を踏まえて「カジノはいまやトバク場というより『ディズニーランド・イメージ』を濃くするにいたっている」と書く。ただ、(ラスベガスのある)「ネバダ州の記述がわれながら好意的になるのは、好ましい記憶が鮮明に尾を引いているせいかもしれない」と補足するのを忘れない。(325頁)
簡単にアメリカ各州の概要、イメージを知るのに適切な本である。
アメリカ全土の地図を見たのが契機になったのか、何年か前に、アメリカの50州について各州6頁でそれぞれの州の個性、政治、経済、文化、風土について興味深く説明している本を古本屋で買った記憶が蘇った。当時は全州を丁寧に読むこともなく、関心のある州だけ読んだことも思い出した。書庫から探し出したその本が浅井信雄氏の「アメリカ50州を読む地図」(新潮文庫)である。
ちょっと古い本であることから、時代遅れになっていないかと危惧し、読書に関するサービス・ツール「読書メーター」の感想・レビューの欄を検索した。2020年に2つの投稿があることから、未だ読まれていることを知った。多分同じようなコンセプトの書籍がその後は出版されていないのだろう。
著者は新聞社のワシントン支局長時代に「米国という国は、地方に何かがある」と感じ地方をじっくりと調べた。その結果がこの本である。
著者が書いているように米国は多様な国であって、ワシントンDCやニューヨークだけがアメリカではない。米国滞在が長いある人物は「スーツを着てネクタイを締め昼食にはワインを飲むワシントンやニューヨークの人々とだけ会っていると、作業着に身を包み、トラクターを運転し、昼食にはビールをガバガバと飲む(彼はそう言う表現をした)農業地帯の人々のことは何も分からない」と言った。
ということで、今回も選挙戦で注目されている州を中心に再読した。
米国独立史の原点であるフィラデルフィアのあるペンシルベニア州は「過去の栄光を懐かしみ没落を嘆く大人口」、“アイオワを制するものは大統領選を制する”と言われるアイオワ州は「四年に一度注目されるA級土壌の地」、アラスカに次いで最大の面積を誇る(日本の1.7倍強)テキサス州は「個人的能力を重視して、『限りなき躍進』」、サンベルト工業地帯の一角を形成しているアリゾナ州は「グランド・キャニオンと豊かな老後生活」といった具合に一言で特徴を説明する。
ちなみにワシントンDCについては「緑豊かな公園都市に増大一途の貧者たち」とし、その都市社会の構造を「西は北で東は南だ」という。地球規模の南北格差における南はワシントンDCでは東の地域が該当し、北は西の地域にあたるそうだ。(315頁~316頁)
あとがきで著者はラスベガスのカジノについて、家族で訪れたそこでの経験を踏まえて「カジノはいまやトバク場というより『ディズニーランド・イメージ』を濃くするにいたっている」と書く。ただ、(ラスベガスのある)「ネバダ州の記述がわれながら好意的になるのは、好ましい記憶が鮮明に尾を引いているせいかもしれない」と補足するのを忘れない。(325頁)
簡単にアメリカ各州の概要、イメージを知るのに適切な本である。