声に出して読みたい日本語
かつては「素読」という言葉がよく使われていたようだが、現在では死語になったのだろうか。大阪の幼稚園で李白や杜甫の詩を暗唱するという教育をしていることを報じた新聞記事を覚えているが、現在でも行われているのだろうか。
思うところがあり、斎藤 孝著の「声に出して読みたい日本語」(草思社)を購入した。この本は2001年に初版が発行されているが、私が購入した2018年12月17日発行の版には奥付に第129刷発行と書かれていた。ベストセラーである。
この本のまえがきで著者は「この本は、暗唱もしくは朗誦することを狙いとして編んだものです」と書いているが、全ての漢字にルビが振られ、声を出して読むのにふさわしい編集である。「とりあげたものは、日本語の宝石です。暗唱・朗誦することによって、こうした日本語の宝石を身体の奥深くに埋め込み、生涯にわたって折に触れてその輝きを味わう。…こうしたイメージで読んでください」との言葉が著者の意図を示している。
声を出して読む文章として著者は「腹から声を出す」「あこがれに浮き立つ」「しみじみ味わう」「季節・情景を肌で感じる」等々8つのカテゴリーに分類し選んでいる。知っている文章、今でも暗唱できる詩句や文章もあるが、初めてお目にかかるものもあった。
選ばれている文章は、多岐にわたる。平家物語、源氏物語、枕草子、方丈記、徒然草などは言うまでもなく、古事記、日本書紀も含まれている。後者などはルビがないと私にはとても読めない。
島崎藤村、中原中也、金子みすゞ、高村光太郎、土井晩翠などから選ばれた詩は、私も好きなものでありほとんど暗記しているものばかりであるが、これはこれで旧知に会ったようで楽しい。
大きな声で朗誦したのは、白波五人男、がまの油、寿限無、浮世風呂、曽根崎心中などであり、そのリズム、テンポのよさに改めて感心した。その内に忘れるだろうが、がまの油売りの口上や寿限無で始まる長助の名前はすっかり覚えた。
般若心経が入っているのには驚いた。私は、現時点ではどうかは判らないが、小学6年生の頃には正信偈を暗記していた。しかし般若心経は名前を知っているだけだった。今回はルビが付された般若心経を意味は解らないながらルビに従って何度もはっきりとした声で唱えた。暗記というにはほど遠いが、それでも何度か繰り返すうちにあまりつっかえることなく唱えることができるようになった。
早口言葉も幾つか選ばれている。私がなかなか上手く言えないのは「京(きょう)の生鱈(なまだら)奈良(なら)生(なま)まな鰹(かつお)」である。
声を出して繰り返し読んで楽しい一冊だった。
思うところがあり、斎藤 孝著の「声に出して読みたい日本語」(草思社)を購入した。この本は2001年に初版が発行されているが、私が購入した2018年12月17日発行の版には奥付に第129刷発行と書かれていた。ベストセラーである。
この本のまえがきで著者は「この本は、暗唱もしくは朗誦することを狙いとして編んだものです」と書いているが、全ての漢字にルビが振られ、声を出して読むのにふさわしい編集である。「とりあげたものは、日本語の宝石です。暗唱・朗誦することによって、こうした日本語の宝石を身体の奥深くに埋め込み、生涯にわたって折に触れてその輝きを味わう。…こうしたイメージで読んでください」との言葉が著者の意図を示している。
声を出して読む文章として著者は「腹から声を出す」「あこがれに浮き立つ」「しみじみ味わう」「季節・情景を肌で感じる」等々8つのカテゴリーに分類し選んでいる。知っている文章、今でも暗唱できる詩句や文章もあるが、初めてお目にかかるものもあった。
選ばれている文章は、多岐にわたる。平家物語、源氏物語、枕草子、方丈記、徒然草などは言うまでもなく、古事記、日本書紀も含まれている。後者などはルビがないと私にはとても読めない。
島崎藤村、中原中也、金子みすゞ、高村光太郎、土井晩翠などから選ばれた詩は、私も好きなものでありほとんど暗記しているものばかりであるが、これはこれで旧知に会ったようで楽しい。
大きな声で朗誦したのは、白波五人男、がまの油、寿限無、浮世風呂、曽根崎心中などであり、そのリズム、テンポのよさに改めて感心した。その内に忘れるだろうが、がまの油売りの口上や寿限無で始まる長助の名前はすっかり覚えた。
般若心経が入っているのには驚いた。私は、現時点ではどうかは判らないが、小学6年生の頃には正信偈を暗記していた。しかし般若心経は名前を知っているだけだった。今回はルビが付された般若心経を意味は解らないながらルビに従って何度もはっきりとした声で唱えた。暗記というにはほど遠いが、それでも何度か繰り返すうちにあまりつっかえることなく唱えることができるようになった。
早口言葉も幾つか選ばれている。私がなかなか上手く言えないのは「京(きょう)の生鱈(なまだら)奈良(なら)生(なま)まな鰹(かつお)」である。
声を出して繰り返し読んで楽しい一冊だった。