生き直しー図書館へ

生き直しー図書館へ

都忘れん子(2018年7月11日)

 60才を過ぎてから、病気という名の侵入者が私の体と心に入り込んでしまいました。
 60才は還暦で、生き直しの年と聞きます。生き直しという言葉の響きに、私は自分に「頑張ろう」と声をかけています。この数年、大切な友人や知人が生き直しの機会も与えてもらえず、60才を迎えてすぐか、迎えることもできずにこの世を後にされています。病気という侵入者に、まだまだ医学が追い付いていない無念さを感じます。
 私は痛みとつきあいながら何とか生き直しの機会を与えてもらえているようです。先日、やっと車の運転ができるようになったので、友人と図書館に行きました。家にいる時間が前より増えているので「手づくり」でもしようと思い「手芸」の本を三冊借りました。これで誰かのために何かを「つくる」ことにしましょう。「生き直し」の第一歩です。
 その時、手話の本も借りて帰りました。退職した時に大津市の初級手話講座を受け始めたのですが、その後、手話コーラスのサークルに入ったり、聴覚障害者の友人との会話をしたことで手話が少しは身近なものになっていました。でも、病気をしてから手話コーラスのサークルには行けなくなり、手話そのものに疎遠になっていました。久しぶりの「手話の本」での学びの再開です。DVDが付いていたので視聴もできました。「生き直し」の二歩目です。
 病気になって車に乗れなくなっていた頃に、いろいろと考えました。大津市の図書館への要望に図書館巡回車があれば助かりますと書きました。月1回ぐらい歩いて行ける公民館に来てもらえればと思いました。今月、自治会の回覧に大津市図書館巡回車が8月3日に公民館に来るというちらしが入っていました。ぜひ行ってみようと思い、予定をカレンダーに書きました。大津市から市民税納入の通知がきますが、年金収入だけとはいえ結構な額を払います。遠慮せずに大津市に「高齢化社会に向けて図書館巡回車を増やして下さい」と、要望を出していきたいものです。
 自分たちの地域を、より暮らしやすいものにしてもらう要望をあげていくのも必要かなと思います。
 今は、「病気が治ったら、痛みがとれたら、あれもしたい、これもしよう」という思いばかりが湧いてきます。TVを見る時間が多くなり、この前の“日大アメフトタックル問題”でケガをさせた選手の記者会見も見ました。いくら指示を受けてもやってはいけないことなのにと思ったら、その選手は「やってしまった自分の弱さにある」ときちっと話していました。そして、仲間の日大選手たちの「信頼をとり戻すためにごみ拾いから始める」という言葉を聞いた時、きっと日大の選手たちはやり直せると思いました。
 いつからでもやり直し、生き直しができます。「悩んだ時、力になってくれるのは本」と誰かが言ってました。
 さあ、今はまだ少し暗い気分の私でも、図書館でいっぱい「本」を借りて読んで、このトンネルを抜けることにします。