どう考えればいいんだろう

どう考えればいいんだろう

KEI(2017年11月15日)

 NHKの大河ドラマや朝のドラマを始めとしてテレビドラマとは縁のない私であるが、あるとき、新聞のテレビ番組案内欄で推奨されていた「ツバキ文具店」を見た。8話完結のシリーズの第6話だった。ドラマの内容は勿論、主役の若い女性の佇まいが気に入り7話、8話と見ることになった。
 小川糸さんの原作を読んでみようと思ったが「書籍の処分を始めているのに今更新たに書物を買うのは態度に一貫性がない」「その後に例外として買った1冊は『老前整理』のハウツー本だった」、という屁理屈にもならない理由を付けて在庫を増やさないことを改めて決意、確認し(大袈裟だなあ)、図書館から借りることを考えた。
 インターネットで予約状況を確認したところ驚いた。「所蔵数20冊」「予約数214件」とあった。第一印象は「ヘエー」というものだった。
 よく考えてみると、当市の図書館は分室を含めて9か所に分かれているため1か所用に2冊を購入したと考えると「所蔵数20冊」は合理的かも知れない。予約数214件はこの本の人気を表わしているのだろう。
 その一方で、住民サービスとしては望ましいだろうが、何で同じ本を20冊も購入するのか、予算の効率的配分から考えて問題はないのだろうか、と思った。市民から寄贈された読了後の本がこの数字の中に含まれている可能性もあるとも考えた。また、何年か後にこの本の人気がなくなったときはどうするのだろう、保管場所確保のために数冊を残し残りを処分することになるのだろうか、とも。
 これだけの数を購入その他により保有しているとしても、現在の状況では、今直ちに予約をしても約20週間待たなければならないことになる。5か月近く待つことは仕方のないことと利用者は納得するのだろうか。いろんな考えが頭の中を駆け巡った。このような予約が殺到する本に限っては借出期間を短くするのはどうだろう、とも考えた。
 素人の思いつき以外のなにものでもないこれらの疑問以外にも考慮すべき課題が幾つもあり、それらを総合的に検討し、判断した結果がこれらの数字なのだろう。
 私は、専門家の立場から慎重に検討された(であろう)当市の図書館の結論を可とし、是認するものであるが、野次馬としてちょっと検討経緯を聞いてみたい気もする。
 忘れた頃に連絡があるだろうと思いつつ、予約のボタンをクリックした。