「チェコの十二ヵ月」
図書館の書棚を左から右に順に眺めていると「チェコの十二ヵ月」と言うタイトル、「おとぎの国に暮らす」という副題、そして著者名の「出久根」が目についた。「出久根」の下部は図書の分類番号と思われる「Eデクチエ」が印刷されたシールが張られ名前の部分が隠れている。
出久根と言う苗字からは私は出久根達郎さん以外の人物は思い付かない。出久根達郎さんがチェコでの生活について書かれたのだろうか、チェコに住まわれたことがあったのだろうかと思い、ちょっと手に取った。
手に取ってよく見ると著者は達郎ならず育さんで、本自体はところどころにカラーやモノクロームのファンタジーというのかロマンチックという言葉が適当なのか心が楽しくなるような絵が入った、読み易そうなエッセイ集だった。手元には差し当たって読む本もないので、借出した。
初出を見るとウエッブエッセイ「プラハお散歩便り」とある。興味本位で原典を当たってみた。 2006年6月を第1回とし、現時点では 2023年10月の第 77 回が最新となっている。不定期に掲載されているのだろう。
ウエッブに掲載された作品のうち17を選び出し、加除添削をして作られたのがこの本なのだろう。
その17の文章の一つにヴェリコノッツエ(復活祭)と題された文章があった。
出久根と言う苗字からは私は出久根達郎さん以外の人物は思い付かない。出久根達郎さんがチェコでの生活について書かれたのだろうか、チェコに住まわれたことがあったのだろうかと思い、ちょっと手に取った。
手に取ってよく見ると著者は達郎ならず育さんで、本自体はところどころにカラーやモノクロームのファンタジーというのかロマンチックという言葉が適当なのか心が楽しくなるような絵が入った、読み易そうなエッセイ集だった。手元には差し当たって読む本もないので、借出した。
初出を見るとウエッブエッセイ「プラハお散歩便り」とある。興味本位で原典を当たってみた。 2006年6月を第1回とし、現時点では 2023年10月の第 77 回が最新となっている。不定期に掲載されているのだろう。
ウエッブに掲載された作品のうち17を選び出し、加除添削をして作られたのがこの本なのだろう。
その17の文章の一つにヴェリコノッツエ(復活祭)と題された文章があった。
復活祭といえば、卵を思い浮かべるでしょう。生命の象徴である卵は、棒に刺してマザネツという丸いパンに立てて飾ったり、紐を通して、庭の木の枝や玄関先などに吊るします。また、地方ごとに特徴を持ち、伝統柄にペイントされたヴェリコノチュニー・クラスリツエ(復活祭の卵)は、人にプレゼントしたり、家の中に飾ったりします。……さて、復活祭の月曜日には、チェコ土着の風習としてポムラースカ(芽吹いたばかりの柳の枝を編んだ鞭)で男の子が女の子のお尻をたたくという習慣があります。……この鞭で叩かれた女の子はその年健康に過ごせると言い、大人の女性であれば一歳若返ると言われています。女性はお返しに、ペイントされた卵を男性にプレゼントします。……
出久根育さんの文章中には、私が今まで知っていた「復活祭の休日(もしくは春)を祝うための特別に飾り付けられた鶏卵をイースター・バニーというウサギが隠す、という伝承にもとづき復活祭の朝に子供たちが隠された卵を探す」というイースター・エッグの風習は書かれていない。
20 年ほど前に偶々イースター・サンデーにベルギーのアルデンヌ地方にあるアンヌボア城を訪れた際には、お城の庭で、籠やナイロンの袋を持って卵(ウズラの卵を一回り大きくしたようなチョコレート菓子)を探している子供たちの姿を見たが、国や地方によっていろんな風習があるのだろう。
「雪が降ると私は好んでスケッチに出かけます。プラハ城の向かいにあるペトシーンの丘から眺める、谷間の林檎林が特に好きな場所です。上へ横へと光を求めて枝を伸ばす木々の姿が、愛すべき風景となって私の心をとらえるのです」で始まる「雪景色」というタイトルの文は、雪やそれに纏わる記憶の諸々について触れ、冬の日本海に臨む村々の風景に及ぶ。そこから「つる女房」や「かさじぞう」で赤羽末吉が描く冬景色を書き、彼の「雪は美しい華である。だがその底には、人の命も軽々ととってしまう魔性がキラリとひそんでいる」と言う言葉を引用する。
ゆっくりと読み、そこに書かれていることを契機にいろいろと想像し、思いを巡らすのがこの本の正しい読み方だろう。こう考えながらのんびりと活字を追った。
20 年ほど前に偶々イースター・サンデーにベルギーのアルデンヌ地方にあるアンヌボア城を訪れた際には、お城の庭で、籠やナイロンの袋を持って卵(ウズラの卵を一回り大きくしたようなチョコレート菓子)を探している子供たちの姿を見たが、国や地方によっていろんな風習があるのだろう。
「雪が降ると私は好んでスケッチに出かけます。プラハ城の向かいにあるペトシーンの丘から眺める、谷間の林檎林が特に好きな場所です。上へ横へと光を求めて枝を伸ばす木々の姿が、愛すべき風景となって私の心をとらえるのです」で始まる「雪景色」というタイトルの文は、雪やそれに纏わる記憶の諸々について触れ、冬の日本海に臨む村々の風景に及ぶ。そこから「つる女房」や「かさじぞう」で赤羽末吉が描く冬景色を書き、彼の「雪は美しい華である。だがその底には、人の命も軽々ととってしまう魔性がキラリとひそんでいる」と言う言葉を引用する。
ゆっくりと読み、そこに書かれていることを契機にいろいろと想像し、思いを巡らすのがこの本の正しい読み方だろう。こう考えながらのんびりと活字を追った。