守山市立図書館の現在
開催:024年5月28日
講師:守山市立図書館長 松本孝子さん
私の住まいは大津市北部の荒川で、志賀町立図書館が開館した 1992 年から大津市と合併後の2年までの 16 年間その図書館におりました。その後大津市立図書館に異動になり、6年間勤務していました。おはなし会や講演会、映画会の立ち合いなどをしたことが思い出されます。
志賀町から大津市立図書館に異動になってしばらくした頃から、市民に利用され喜ばれる図書館を作りたい、自分自身がその先頭に立ってやりたいという思いを強く持つようになり、管理職登用試験も受けていました。守山に行くお話をいただいた時は、迷う気持ちもあったけれど、いつかは大津市の図書館長になりたいと思っていたのだから、場所は違ってもやることは同じはずと、思い切って行くことにしました。
琵琶湖大橋を渡りそのまま 477 号線を5分ほど行くと北部図書館が見えてきます。北部図書館は速野支所、速野会館、速野公民館と館を同じくする複合施設です。そこから南へ 6.4 キロ( 13~15 分程)の所に図書館があります。守山市は7つの学区があり、南の駅前の方は人口密度が高く商業施設やマンションが立ち並び、工場も多いのですが、北部は田園が多く琵琶湖近くの自然が豊かな環境です。
「守山の図書館は建物が立派や…」という声に負けないようソフト面でもいい図書館と言われるようにと心がけておりました。それを館長だけが思っているのではどうにもならないので、職員一人一人がいい図書館にしたいという思いで力を合わせていける組織風土がなによりも大切と考えています。利用者に喜ばれたことや褒められたことは共有し、お怒りや苦情等は何がいけないのかを分析して、今後はどうすればいいのかを考えてやってきました。市民の代表であり利用者の代表でもある図書館協議会との関わりを形骸化することなくしっかりと機能させたいと考えました。
サポート隊の皆さんは図書館を自分の生活の一部として楽しんで関わってくださっているのが嬉しいです。
図書館内での市民との関わりだけではなく、図書館から出向いて地域に根差した活動もしてきました。学校、園、地域、団体への利用の啓発・連携として、保育園・幼稚園、小学校などに出向いていく「出前おはなし会」や出前ブックトーク、地域子ども文庫への団体貸出や、おはなし会等を昨年度は 115 回行いました。図書館から最も遠い中州小学校へは月1回出張貸出に行っています。「としょかんわくわくボックス」として、市内園・家庭的保育室へ絵本のセットを届け、それを毎月交換しています。
またコロナ禍で休止していましたが、図書館の真横に位置する小児保険医療センターと滋賀県立総合病院に、出前おはなし会や入院・通院されている患者さんへの本の出張貸出を昨年末から本格的に再開しています。
その後大津市の生涯学習課や藤尾での勤務の後、守山の図書館のリニューアルオープンに伴い、 2017年から守山市の図書館に移籍しました。
志賀町から大津市立図書館に異動になってしばらくした頃から、市民に利用され喜ばれる図書館を作りたい、自分自身がその先頭に立ってやりたいという思いを強く持つようになり、管理職登用試験も受けていました。守山に行くお話をいただいた時は、迷う気持ちもあったけれど、いつかは大津市の図書館長になりたいと思っていたのだから、場所は違ってもやることは同じはずと、思い切って行くことにしました。
滋賀県内で守山市は草津市に次いで人口密度が高く、2・3年前までは3桁台の人数で人口が増加していましたが、本年度は 70 数名の増加でした。
琵琶湖大橋を渡りそのまま 477 号線を5分ほど行くと北部図書館が見えてきます。北部図書館は速野支所、速野会館、速野公民館と館を同じくする複合施設です。そこから南へ 6.4 キロ( 13~15 分程)の所に図書館があります。守山市は7つの学区があり、南の駅前の方は人口密度が高く商業施設やマンションが立ち並び、工場も多いのですが、北部は田園が多く琵琶湖近くの自然が豊かな環境です。
そのような守山市に移り新図書館開館の準備に追われていた頃、当時の宮本市長が図書館を見に来られ、落語の CD が多すぎるとの指摘を受けたことがありました。それまでにも何度か「指定管理にしますよ」と脅されていたのですが、今思いますと新図書館に思い入れがあった、気にかけてくれていた、期待されていたことの表われであったと思います。
その市長がある日、市民との関わりの深い図書館はそう簡単には指定管理にできないですねという風に話されましたが、その言葉は私にとって守山の図書館をどうしていったらいいのかという、具体的に大きな指針となりました。守山の図書館を市民との関わりの深い図書館にするというのが私に与えられた命題だと思い今日に至っています。それは指定管理にならないようにするというのではなくて、私が大津市で働いていた時からの目標であった、市民に喜ばれる図書館をつくりたいということとクロスし、リンクしていることでもありました。
市民との関わりの深い図書館といっても具体的にはどんなことなのか、図書館はただ本が並んでいるだけではなく、図書館を構成する4つの要素「資料・利用者・施設・職員」の一つが欠けても機能しません。先ずは当たり前のことですが基本的な資料提供(利用者対応)を大切にして市民に愛され親しまれる図書館になるように心がけました。カウンターでの応対、ていねいな書架案内読書相談、毎朝の書架整理、書架の探しにくいところの見出しや案内作り、予約・リクエストの徹底、市民のニーズに沿った選書、迅速な購入手続きや図書館間の相互貸借、また、これらをしっかり行うための、図書費や人件費の予算の確保に努めたいと思っていました。
「守山の図書館は建物が立派や…」という声に負けないようソフト面でもいい図書館と言われるようにと心がけておりました。それを館長だけが思っているのではどうにもならないので、職員一人一人がいい図書館にしたいという思いで力を合わせていける組織風土がなによりも大切と考えています。利用者に喜ばれたことや褒められたことは共有し、お怒りや苦情等は何がいけないのかを分析して、今後はどうすればいいのかを考えてやってきました。市民の代表であり利用者の代表でもある図書館協議会との関わりを形骸化することなくしっかりと機能させたいと考えました。
「図書館協議会」とは、図書館法第14条にあるように、図書館の運営に関し、館長の諮問に応じるとともに、図書館長に対して意見を述べるものです(平たく言えば、今こんなことが図書館で課題になっているのですが、これをどう思われますかというようなことを、それぞれの市民の代表のいろいろな立場の委員さんのご意見をいただき図書館の運営に生かすものです)。
守山の場合は学校教育や社会教育、利用者、家庭教育、学識経験者などそれぞれの立場の方々15名で構成されています。新図書館が開館されてからは読書日本一のまちとは具体的にどのようなまちを言うのだろうかとか、北部図書館の管理運営はどのようにしていけばいいのか、学校図書館はどうか、学校司書はというように活発なご意見をいただいて図書館の運営に生かしてきました。単に1年ごとの資料を作って報告するだけでなく、しっかり協議できる関係であるようにしてきました。本年度は図書館で「子ども読書活動推進計画・第4次計画」の策定をするのですが、図書館協議会でどのような計画にすればよいか、何を盛り込むのかを話し合っています。
守山の図書館と市民の関わりの特徴として「図書館サポート隊」というものがあります。図書館と共同で図書館の利用者をサポートしようという制度で、個人で 131 名、 36 団体が登録されています。活動内容は、演奏会、展示会、写真展、紙芝居などいろいろな催しが市民主体で行われていて、それを無料で図書館の利用者に公開していただいています。新図書館が出来たときに、多目的室・活動室・スタジオ・ギャラリー・集会室という5つのスペースができたのですが、これがどれだけ利用されるか、稼働率はどうかということで図書館主催のイベントをそうは頻繁にできないが、せっかくの施設を眠らせておくのはもったいない、市民が持っておられるさまざまな技能を、これらの施設を使って発表いただくことで、図書館に来られる方々も楽しめ、帰りには本を借りて帰ろうかなということに繋がっていくのではと思うのです。
絵本など、特に児童書は傷むものが1日に 50 冊ほど出てきます。職員が修理をしてはいるのですが、月1回図書館サポート隊の方たちと和やかに「本のおなおし」をしております。「としょかんかざり隊」は子どもたちと折り紙で児童室の壁面を飾っています。中高生サポーターとして40人ほどの登録があるのですが、市内の中学校と高校に通う子どもたちが任意で、本や図書館が好き、自分たちが通う学校以外の人たちとも交流したいという思いから、月に1回図書館に集まって自分のおすすめの本のPOPや福袋を作ったり、クイズラリーをしたり楽しみながら活動しています。
サポート隊の皆さんは図書館を自分の生活の一部として楽しんで関わってくださっているのが嬉しいです。
もう一つ市民との関わりで守山の図書館では令和2年( 2020 年)に図書館友の会が発足しました。大好きな図書館をもっと大好きになるために何ができるか?をテーマに、リレートークやドキュメンタリー映画(ニューヨーク公共図書館)を観る会を企画し実施されました。他には2か月に1回の例会で会員がそれぞれ講師になって様々な立場から講演会を実施されていて、私も毎回参加しています。それぞれの会員の方のバックヤードのどこかで図書館との関わりがあることが分かります。
図書館内での市民との関わりだけではなく、図書館から出向いて地域に根差した活動もしてきました。学校、園、地域、団体への利用の啓発・連携として、保育園・幼稚園、小学校などに出向いていく「出前おはなし会」や出前ブックトーク、地域子ども文庫への団体貸出や、おはなし会等を昨年度は 115 回行いました。図書館から最も遠い中州小学校へは月1回出張貸出に行っています。「としょかんわくわくボックス」として、市内園・家庭的保育室へ絵本のセットを届け、それを毎月交換しています。
またコロナ禍で休止していましたが、図書館の真横に位置する小児保険医療センターと滋賀県立総合病院に、出前おはなし会や入院・通院されている患者さんへの本の出張貸出を昨年末から本格的に再開しています。
北部図書館“本の湖”開館までの経緯
守山市の北部にある速野学区と中州学区は図書館から遠い位置にあります。速野学区の強い要望を受け、市もその必要性を認識し、北部図書館の実現が進められました。平成 24 年度~令和4年度( 2012 年度~ 2022 年度)の 11 年間、速野学区地域行政懇話会では、「北部地域に図書館を」という課題が継続して挙げられていました。他にも北部地域の住民の方たちから「図書館が遠くて利用しにくい」という声も多く寄せられていました。平成 27 年( 2015 年)3月に「守山市立図書館整備基本計画」が守山市教育委員会で策定されましたが、この計画書は新図書館がどんなことをしていくのかというビジョン、目標とする数値、具体的な施策が記載され、市議会での議決を得た公的な内容のものです。例えば「雑誌タイトルは 280 タイトルとする」については、開館して2年くらいは目標に届かず資料費の雑誌代の予算要求時に「整備基本計画書に 280 にすると明記されています」という説明には説得力がありました。図書館がしたいからとか、図書館の職員だけが考えているのではなく、市民も議会も巻き込んだ公的な計画、ビジョンが図書館運営には必要だと思っています。
守山市立図書館整備基本計画書の 36 頁の5には、「北部図書館はこのようにしていきます。このような内容を進めていきます」ということが次のようにはっきり書かれています。
5.北部地域および駅周辺への図書館機能整備について
守山市の人口規模および近隣3市の状況から図書館数は本館以外に1から2館は必要であるため現図書館を改築し充実後に北部・駅前に図書館機能を整備していく。整備にあたっては両地域とも設置する図書は固定するのではなく随時本館から配本し、季節ものの本などは入れ替えるようにする。利用状況を見ながら棚揃えしリクエストに応じて本館の本を提供できる本館とつなぐ職員の配置に努める。
平成 23 年 12 月に図書館機能の充実については、現図書館を拡充し、北部地域および駅周辺へ図書館サービスを拡大するという方向性を出しており、両地域とも子育て世代が増加していることから、北部地域では公共施設を活用し、駅周辺では民間施設を借用し、小さな頃から親子で本に親しめる読み聞かせコーナーなどを設置する具体案を示している。
守山市の人口規模および近隣3市の状況から図書館数は本館以外に1から2館は必要であるため現図書館を改築し充実後に北部・駅前に図書館機能を整備していく。整備にあたっては両地域とも設置する図書は固定するのではなく随時本館から配本し、季節ものの本などは入れ替えるようにする。利用状況を見ながら棚揃えしリクエストに応じて本館の本を提供できる本館とつなぐ職員の配置に努める。
「5-1北部地域整備」には、子育て支援、予約貸出、高齢者対象それぞれのコーナーとその内容がビジョンとして示されています。
北部図書館が開館するまで、何回か議会でその進捗状況の報告をする場面がありましたが、そのたびに「守山市立図書館整備基本計画書」を-枕詞のように-出していました。市議会議員や市の職員、教育委員会の委員が変わられたり異動されてきたりする(事情を知らない方がおられる)中で、何故このような図書館が要るのかという疑問に対して一から議論することになったかも知れません。そういう事態にならないためにしてきたことでした。
令和3年( 2021 年)に入り、学区の方々と本格的に北部図書館協議が始まったときに、速野学区長と副学区長、速野学区の3つの自治会長で構成される図書館整備ワーキングチームが作られ、そのメンバーの方と図書館職員が北部図書館をどんな図書館にするのか、どんなことができるのかを話し合いました。この時点では北部図書館の正式名称は定まっておらず、北部図書機能と呼ばれていました。 12 月の議会での議員さんからの「北部図書機能とはどういうことか」という質問には、「図書館法に規定する図書館として整備します」と答弁しました。これは現図書館の分館としてはっきり位置づけたということであって、公民館図書室でもないし、図書館類似施設でもない。法律(図書館法)で定められたしっかりとした図書館ですと、市民に約束したということです。
話が少しずれますが、図書館法の 17 条にありますように、「公立図書館は、入館料その他図書館資料の利用に対するいかなる対価をも徴収してはならない」が大切なのは、図書館がなぜ必要かということの根本だからです。その昔、知識は特権階級や富裕層の独占物でした。その人の経済状況によって知識や情報に差があるということはあってはならないことで、そのために図書館があると思っています。冒頭の市民との関わりのところで基本的な資料提供を大切にするようにしたと申し上げたのはこのことからです。
「図書館の自由に関する宣言」の冒頭に“図書館は、基本的人権のひとつとして知る自由をもつ国民に、資料と施設を提供することをもっとも重要な任務とする”とあります。誰もが自分の知りたい情報、確かでしっかりした情報、そして偏ることのない多種多様な考え方が何の制限もなく自由に手に取れることが民主主義の根本ではないでしょうか。それが不十分な自治体、図書館がしっかりしていない自治体は、市民に対して知る権利の保障をおろそかにしていると考えます。
(北部図書館の話に戻し)令和4年( 2022年 )になるとウクライナショックによる木材の高騰で入札が2回不調になり、予算を2億4千万円補正していただきました。以降毎月1回の速野学区の自治会長会に図書館と教育委員会が出席して進捗状況などの質問に、開館の2か月前まで答えてまいりました。北部図書館が開館するまで、市議会、自治会長会、市役所内での町内の会議等、協議が何回も行われました。一つの図書館を作り上げるというのは、行政が一方的に作って使ってくださいねではなく、双方が意見交換と意思疎通をていねいに行い、民主的に合意形成をしていくのだなあと思いました。
令和5年( 2023 年)3月に(守山市立図書館の設置及び管理に関する条例により)正式名称を北部図書館と決定しました。7月からは速野学区と中州学区が主体となって愛称が募集され、応募総数 214 の中から“本の湖”と決定されました。琵琶湖に水が集まるように人が集まりいろいろな活動がさざ波のように広がってほしいとの思いが込められています。愛称の募集にあたっては、地域の方がチラシを自治会の掲示板に貼ったり、回覧版を回したりで、速野支所の応募箱には続々と地域の方から応募が寄せられました。北部図書館の開館については本当に地域との関わりが深かったと思います。もしもこの図書館を指定管理にという話が出たとしても、開館に際してこれほど地域の方と意思疎通してきたこと、愛称も地域の方が考えて付けたこと、このような図書館を簡単には指定管理にできないと強く思います。仮に指定管理にするなら、これと同じくらいかこれ以上の協議の場をもって市民の理解を得る必要があると思います。ただしその前に、指定管理にしても別に構わないよと思われないように、市民に愛され親しまれしっかりと資料提供を行う図書館になることが大前提です。
開館いたしました北部図書館が今どのような活動をしているかですが、毎週火曜日に地域のおはなしボランティアと協働でおはなし会をしたり、近隣の幼稚園・保育園に出前おはなし会をしたりしています。速野小学校の真向かいに位置していますので、校長先生とお話して、クラスごとの図書館見学をしてもらったり、園や学校との連携に力を入れています。また、公民館との複合施設であることから、公民館行事に関連した資料の紹介をして行事の帰りに図書館に立ち寄ってもらうなどをしています。公民館主催の親子ほっとステーションでのおはなし会など、公民館と協働の行事もしています。映画会等も実施して、地域との連携を深めていることもしています。
北部図書館の開館に向けては、令和3年( 2021 年)の当初までは北部地域の読書環境の充実を図るとしていたのですが、今は守山市全体の読書環境の充実を図るというように方向性が変わっております。確かに速野学区の利用が多いのですが、本館は本館、北部は北部という個別の図書館ではなく図書を流通させることが大切と考えていて、北部図書館は27000冊と蔵書規模が小さいので、週に1回本館で目ぼしい図書をピックアップして入れ替えるようにしています。連絡便を毎日走らせていますので、どちらの図書館で受け取っても、どちらで返していただいてもいいようにしています。また職員も情報交換と課題を共有するようにして市一体の図書館として機能することを目指しています。
先ほどの図書館協議会のことで「子ども読書活動推進計画」についてもう少しお話します。参考として現行の第3次計画は令和7年( 2025 年)の3月で終わりますが(今は図書館協議会で第4次計画を作っている途中)、その計画も教育委員会、市議会、市民懇談会とパブリックコメントという市民を巻き込んだ公的な内容になるのですが、学校や幼稚園や保育園、家庭、地域、図書館が連携して守山市のあらゆる子どもたちが本に触れることができるよう読書環境を作ることが目的です。
その中で重要な機能の一つが学校図書館です。「図書館を考える大津市民の会」の共同代表がご挨拶の中で県立図書館の子ども読書活動推進計画のことをお話されましたが、県立も今年度は手始めとして学校図書館の充実に力を入れていくと言っておられます。守山市の図書館の学校図書館支援事業ですが、守山市には9校の小学校と4校の中学校があります。学校司書の勤務体制は各校週2回程度の巡回(1日4時間勤務)で、小学校は5名の学校司書がそれぞれ3校ずつ担当し、中学校は2名の学校司書が4校を担当しています。学校司書の活動内容は、本の貸出、返却、書架整理とそれに関すること、図書の移動、本の修理、本の受入れ処理と図書の除籍(廃棄)、授業で使う本の用意、絵本の読み聞かせなどです。
月1回、市立図書館に学校司書が集まり、図書館司書と1か月間の業務報告、課題の共有、本の修理や読み聞かせの研修などのスキルアップを図っています。昨年からは学校教育課の指導主事も参加してもらってアドバイスや図書館だけでは得られなかった学校関係の有益な情報を紹介してもらったりしています。守山市の市立図書館は駅から遠いなどで、子どもが一人でやってくる姿はあまり見かけず、 30 代、 40 代の親と連れだっての来館が多いです。つまり親の意識によって図書館に来れる子、来られない子が生じています。学校(の図書室)なら市内の全ての子が利用できます。そういう意味から学校図書館の役割は非常に大事で、より魅力的な学校図書館を作る必要を感じます。前川恒雄さんの言葉に「図書館は建物ではない、本を読んでもらうためのシステムだ」がありますが、子ども読書活動推進計画を策定するにあたり、学校や園、家庭、地域、そして図書館等それぞれがどのようなことをしてどう結び付けたら子どもたちがより身近に本を読むようになるのだろうと職員たちと考えています。建物だけではなく守山市全体のこととして水道の蛇口をひねるようにあらゆるところに水が流れていくように市全体に本を読んでもらうようなシステムをということです。
この計画を策定するのは大変だけど逆にありがたいことだなあとも考えています。直営ゆえにできることではないかと思います。指定管理だとどうしても決められた枠内の仕事になり、その範囲の中で一生懸命仕事をすることになりますが、職員が市民の意見を反映してなにかを新たに考え出す、自分たちの手でこういうことをやっていこうと計画して、それを市民と共有することは難しいと考えます。指定管理の場合、もしそこの職員が何かをやっていこうとするとき、直営のように図書館協議会や市議会を通してそれを市民と共有するのではなく、先ずは指定先の会社を通して自治体へということになるのかなと思います。どこまで自分たちの思いを伝えられるのかという実現しにくい形であると思います。直営であるからこそ市民と直接やりとりができ、図書館という限られた建物だけではなく、市全体のことも考え、その中で図書館の役割を認識し、自分たちの手で作っていけるやりがいがあり、やりがいだけではなくてしっかりと責任を持って図書館運営に取り組める、それが市民に喜ばれ利用される図書館になっていくのだと考えています。
(草津市の図書館には「雑誌スポンサー制度-図書館に雑誌を寄贈いただく仕組み-」がありますが、守山市にもこういうのがありますか、移動図書館はどうでしょう、という質問に答えて)
守山市も同様に、雑誌は3社ほどから寄贈いただいており、一般市民からも寄贈されていて、該当する制度があります。移動図書館は守山市では走っていないけれど、図書館から最も遠い中州小学校へは月1回、本を積んだ自動車が学校の昼休みに子どもたちが借りられるようにしています。また地域文庫が 15 あり、利用していただけるようにしています。
(守山市立図書館の学習室に関する質問に答えて)
守山の図書館は座席が 350 席あります。図書館は学生の勉強部屋ではないということですが、運用のコンセプトは決まっていませんでしたので、オープンして数カ月は学生で全ての席が埋まった状態でした。学習用の席を 50 席としましたが8時前から学生が並び、書架の整理をするべき時間でも、これらの学生のお世話に一人割くほどの状態でした。学習用のコーナーと図書館の本を読むための一般席との区別の周知をしてからは棲み分けができている状態になっています。しかしながら、並んでいたのに座れなかったという声はたくさんありました。2年前からは守山市の公民館や体育館の施設がインターネットで予約できる公共施設予約システムができ、そこにこの 50 席が組み込まれるようになりました。社会人も資格の取得のためでしょうか、この席を予約して使っているようです。これが座席が 10 席や 20 席しかないという図書館なら自習は出来ないが、 350 席ある守山市の図書館なら一般用の席と学習用の席をしっかり棲み分けして、図書館の実情に合わせた臨機応変の運用をしていけばいいのではないかと思います。
本年度の活動目標として、当ホームページの一層の充実が挙げられながら、参加された皆さまのご感想とご意見を全て掲載できなかったことをお詫びいたします。
以下は、総会と本講演の終了後にお寄せいただいたアンケートです。
- 守山市立図書館のような図書館が大津市にできることを願っています。市民にとって、知のよりどころ、集う所、新しい知が発見できる場になるような図書館になりますように!!
- あいにくの雨の中を人数は少なかったですが、ご参加くださった方は本当に図書館に熱い思いがある方だと思いました。感謝です。
- 松本館長のお話は守山市の図書館への熱意が感じられ今後が楽しみだと思いました。やはり、専門司書の図書館長でなければあのようには運営できないだろうと思います。
- 京田辺市の方はもう少し指定管理になろうとしている現状をお話してほしかったです。
- 石部図書館の方が来てくださったことでお話がきけたことはよかったです。
- 進行の仕方ですが、松本館長の講演についての質問と、大津市立図書館についての話し合いとを分けて時間を取っていただきたかったです。日頃は運営委員の話ばかりになっていますが、他の図書館利用者のお話も伺いたかったと思いました。
視覚が不自由になられた方の体験をお聴きしましたが、図書館としての対応について図書館に伝えていけば参考になるのではないかと思いました。