本から思い出す今は亡き人
エッセイの中で「歳を取ると新聞の訃報欄が気になる、この欄から新聞を読み始める」と書かれていたのは、どなただったろうか。いつの頃からか私も訃報欄を読むようになったが、無意識に自身の年齢と比較しているようだ。
この一年を振り返ってみても、私の本棚に並んだ書物の著者の何人かがお亡くなりになっている。今回、改めて整理途中の本棚の著者名を丁寧に眺めてみた。
既にお亡くなりになっている方が多いのに気が付いた。大半が鬼籍に入られている。考えてみれば当然である。それらの書籍の殆どは私のサラリーマン現役時代に買ったものであり、著者の殆どは私より年配であった。
リタイアした後も、新刊書が発行されるたびに買い求めていた私が好きだった著者の多くもお亡くなりになった。何となく寂しさを感じている。
著者名を眺めていて桃井 真という名前に目が止まった。氏もお亡くなりになって久しいが、国際政治学者・軍事アナリストであった。そして女優の桃井かおりさんのご尊父でもある。コロンビア大学大学院のジャーナリズム科とハーバード大学大学院の行政学科をそれぞれ1年で卒業された俊秀だが、その経験を綴ったのが「ケネディにつづく若者たち」(講談社)である。両校の学生の猛烈な勉強ぶりと彼らの生活をいきいきと描いている。
特に印象に残り、今でも覚えているのは「12時を過ぎると寄宿舎の窓の光と人影が下級生の住む2階から上の方に向かって順に消えて行く。大学院生の住む上の階では明け方の4時頃にポツリポツリと光が消える」という文章だ。これを読んだときには、当時のアメリカの学生の勤勉さに驚いたものだ。桃井さんはこのような仲間と2年間過ごしたのだ。
最後には「知にささえられたタフさ」との小見出しで、卒業式後に行われた男性だけのタブ・カクテル・パーティ(氷が半分以上詰まり、シャンパンを1ダースあけたバス・タブに、それぞれが持参したウイスキー、コニャック、ラム等でスパイク(強く)したカクテルをパンチ・グラスで飲むというもの)の話がある。
夜の9時から明け方の5時まで飲んで「飲むほどに、酔うほどに・・・しっかりとした国際問題への理解を示し、長時間にわたり核戦争・軍事戦略論を展開し」最後には車を置いてしっかりとした足取りで歩いて帰る。
著者は「この、肉体的、精神的、そして知的タフさこそ、アメリカを支えるエネルギーであろうか。ケネディに続く若者たちの一群であろうか」と目を見張った。
本棚にあったこの本に目が止まったのにはもう一つの理由がある。この本には若くしてお亡くなりなった先輩との思い出が詰まっている。
あるとき先輩と一献傾けながら、かつて読み、感激し、後輩に読むようにと渡したこの本を話題にした。先輩もこの本を読んでおられ「アメリカの名門大学の学生はよく勉強している。勉強の厳しさを描いた場面と卒業式後に行われた男性だけのタブ・カクテル・パーティの場面が特に印象に残っている」と言い、「それに比べて・・・」と話題が移った。
再読したいが、後輩に進呈し手元に無く、発行元にもないと言った私の言葉を覚えておられ、後日「屋根裏部屋にあった。返さなくてもいいよ」と言う言葉と共に頂戴したのがこの本である。
この一年を振り返ってみても、私の本棚に並んだ書物の著者の何人かがお亡くなりになっている。今回、改めて整理途中の本棚の著者名を丁寧に眺めてみた。
既にお亡くなりになっている方が多いのに気が付いた。大半が鬼籍に入られている。考えてみれば当然である。それらの書籍の殆どは私のサラリーマン現役時代に買ったものであり、著者の殆どは私より年配であった。
リタイアした後も、新刊書が発行されるたびに買い求めていた私が好きだった著者の多くもお亡くなりになった。何となく寂しさを感じている。
著者名を眺めていて桃井 真という名前に目が止まった。氏もお亡くなりになって久しいが、国際政治学者・軍事アナリストであった。そして女優の桃井かおりさんのご尊父でもある。コロンビア大学大学院のジャーナリズム科とハーバード大学大学院の行政学科をそれぞれ1年で卒業された俊秀だが、その経験を綴ったのが「ケネディにつづく若者たち」(講談社)である。両校の学生の猛烈な勉強ぶりと彼らの生活をいきいきと描いている。
特に印象に残り、今でも覚えているのは「12時を過ぎると寄宿舎の窓の光と人影が下級生の住む2階から上の方に向かって順に消えて行く。大学院生の住む上の階では明け方の4時頃にポツリポツリと光が消える」という文章だ。これを読んだときには、当時のアメリカの学生の勤勉さに驚いたものだ。桃井さんはこのような仲間と2年間過ごしたのだ。
最後には「知にささえられたタフさ」との小見出しで、卒業式後に行われた男性だけのタブ・カクテル・パーティ(氷が半分以上詰まり、シャンパンを1ダースあけたバス・タブに、それぞれが持参したウイスキー、コニャック、ラム等でスパイク(強く)したカクテルをパンチ・グラスで飲むというもの)の話がある。
夜の9時から明け方の5時まで飲んで「飲むほどに、酔うほどに・・・しっかりとした国際問題への理解を示し、長時間にわたり核戦争・軍事戦略論を展開し」最後には車を置いてしっかりとした足取りで歩いて帰る。
著者は「この、肉体的、精神的、そして知的タフさこそ、アメリカを支えるエネルギーであろうか。ケネディに続く若者たちの一群であろうか」と目を見張った。
本棚にあったこの本に目が止まったのにはもう一つの理由がある。この本には若くしてお亡くなりなった先輩との思い出が詰まっている。
あるとき先輩と一献傾けながら、かつて読み、感激し、後輩に読むようにと渡したこの本を話題にした。先輩もこの本を読んでおられ「アメリカの名門大学の学生はよく勉強している。勉強の厳しさを描いた場面と卒業式後に行われた男性だけのタブ・カクテル・パーティの場面が特に印象に残っている」と言い、「それに比べて・・・」と話題が移った。
再読したいが、後輩に進呈し手元に無く、発行元にもないと言った私の言葉を覚えておられ、後日「屋根裏部屋にあった。返さなくてもいいよ」と言う言葉と共に頂戴したのがこの本である。