アメリカのリーガル・サスペンス
日本語では“法廷もの”というのだろうか、エンターテインメントとして裁判や司法制度、弁護士の活動・活躍を舞台とする作品分野がある。もちろん日本の作家もこれらの分野の作品を多く書き、素晴らしい作品もある。ただ、構成力、構想力という点では残念ながらアメリカの作家に負けているように感じている。その結果としてアメリカの作家の作品には大作が多く、腰を据えて読む気力が必要となる。
会社で法律関係の仕事をしていたことと関係があるのかどうか、私は日米を問わずこの分野の小説を数多く楽しんだ。その結果、手元には数多くの作家の本が残されている。しかし、どの作家が好きか、どの本が面白かった(「面白い」と言ってもその意味はいろいろだが)か、等と聞かれると答に窮する。
ストーリーよりもそこに描かれているエピソードや主人公の発言、心情がより強く心に残っていることもある。ここでは、ストーリーとは全く無関係にそれらを列挙する。
ジョン・マーテルの「訴訟」(早川書房)で「野心と現実を把握する目と最後まで曇ることなかった正義感」を持つ女性弁護士が「威信を失墜して開設以来最大の苦境に立っている法律事務所」のパートナーを引き受け、退出を記録する夜警日誌に書き込んだ言葉である「責任を引き受けるため」。
(自らの責任を)「取る」ではなく、(他人の責任を)「引き受ける」という言葉が胸に強く刺さったようだ。
ジョン・グリシャムの「評決のとき」(新潮文庫)の父親の行動。酔っ払った2人の白人に輪姦され、ひどい暴行を加えられた黒人少女の父親は、この2人を多数の人が見守る裁判所の前で射殺し復讐を遂げる。物語はこの父親の弁護を巡って展開する。
マスコミで報道される残忍残虐な事件を耳にすると、時折り私は「家族がこのような不条理な目に会わされたなら、犯人を殺し自殺する」などと物騒な発言をし、妻に強く窘(たしな)められている。
同じくグリシャムの「法律事務所」(新潮社)の主人公の、自らを守ってくれるFBIすら信用せず、あくまで「自らを頼み、それのみに従って行動する」強い信念。
この小説は法廷活動ではなく、企業の税務・契約関係を扱う弁護士を主人公にしていることとも相俟って面白く読んだ。トム・クルーズ主演で映画化されている。
どうも私はストーリーよりもそこに描かれているエピソードや主人公の発言・行動をよりよく記憶しているようだ。そう言えば、一時期私が大好きでよく飲んでいたシングルモルト・ウイスキー“グレンリベット”はどれかの本で大手法律事務所のシニア・パートナーが飲んでいたのを真似たのだった。
会社で法律関係の仕事をしていたことと関係があるのかどうか、私は日米を問わずこの分野の小説を数多く楽しんだ。その結果、手元には数多くの作家の本が残されている。しかし、どの作家が好きか、どの本が面白かった(「面白い」と言ってもその意味はいろいろだが)か、等と聞かれると答に窮する。
ストーリーよりもそこに描かれているエピソードや主人公の発言、心情がより強く心に残っていることもある。ここでは、ストーリーとは全く無関係にそれらを列挙する。
ジョン・マーテルの「訴訟」(早川書房)で「野心と現実を把握する目と最後まで曇ることなかった正義感」を持つ女性弁護士が「威信を失墜して開設以来最大の苦境に立っている法律事務所」のパートナーを引き受け、退出を記録する夜警日誌に書き込んだ言葉である「責任を引き受けるため」。
(自らの責任を)「取る」ではなく、(他人の責任を)「引き受ける」という言葉が胸に強く刺さったようだ。
ジョン・グリシャムの「評決のとき」(新潮文庫)の父親の行動。酔っ払った2人の白人に輪姦され、ひどい暴行を加えられた黒人少女の父親は、この2人を多数の人が見守る裁判所の前で射殺し復讐を遂げる。物語はこの父親の弁護を巡って展開する。
マスコミで報道される残忍残虐な事件を耳にすると、時折り私は「家族がこのような不条理な目に会わされたなら、犯人を殺し自殺する」などと物騒な発言をし、妻に強く窘(たしな)められている。
同じくグリシャムの「法律事務所」(新潮社)の主人公の、自らを守ってくれるFBIすら信用せず、あくまで「自らを頼み、それのみに従って行動する」強い信念。
この小説は法廷活動ではなく、企業の税務・契約関係を扱う弁護士を主人公にしていることとも相俟って面白く読んだ。トム・クルーズ主演で映画化されている。
どうも私はストーリーよりもそこに描かれているエピソードや主人公の発言・行動をよりよく記憶しているようだ。そう言えば、一時期私が大好きでよく飲んでいたシングルモルト・ウイスキー“グレンリベット”はどれかの本で大手法律事務所のシニア・パートナーが飲んでいたのを真似たのだった。