小野瀬さんの講演から図書館の重要性に想いをはせて

小野瀬さんの講演から図書館の重要性に想いをはせて

北小松圓男(2018年4月4日)

 1月に行われた「小野瀬直美講演会」に参加しました。小野瀬さんが、図書館で癒やされ多くの本に親しむ中で興味と関心が増し、様々な知識が増えた話を聞いて、改めて図書館の大切さを感じました。
「図書館で本をたくさん借りましょう」との言葉に中学時代一年間図書委員の活動をしてきた思い出もよみがえらせてくれました。その頃は、貸し出し簿に印を押していました。司書さんもいない学校図書館で、生徒の働きは大きかったように思います。
 講演会会場に置かれていた小野瀬さん関係の書籍は、本を借りる窓口のように思いました。手にとって眺めている人たちは、こういうお薦めのコーナーで、新しい本の世界に入っていけるのだなと思いました。
 この講演会の後は、いつも以上に図書館にひかれるような気分になり、近くの和邇図書館へ行きました。図書館にある新書コーナーも本の世界へのひとつの窓口です。この新書コーナーで、新たな知識を得る本に出会いました。棚に置かれている本が「読んでくださいね」と誘いかけているようでした。その本は、元鳥取県知事の片山善博さんと、図書館政策論を専門にする糸賀雅児さんの「地方自治と図書館」でした。講演会で図書館の意義の一つを確かめましたが、それが地方自治とどういう繋がりがあるのだろうと思い読み始めました。
「そうだ、そうだ、その通りだ」何度もうなずきながら読み進めました。
「はじめに」のページから興味をひくものばかりでした。自治体の運営にあたる人たちの間に、図書館の持つ役割や重要性への認識が極めて乏しいと書かれていました。長く地方自治に携わり、研究をしている著者が全国を回って感じ、調査した結果なのです。図書館を「無料貸本屋」と誤解し、図書館の重要性を理解しない人たちが自治体運営をしている現実があるというのです。そのことが、「本ぐらい自分の金で買うべき」とか「高齢者の生涯学習に多額の税金を使うのは勘弁して欲しい」との認識になっているというのです。そして、簡単に図書館予算を減額する案がまかり通っている自治体もあるそうです。
 実際、私も仕事を離れて住民の映画サークルを企画するようになってから図書館通いも増えました。DVDを探したり、それにまつわる資料も探します。若い時代の何倍も図書館通いをします。でも、決して若い時に図書館が高齢者だけの施設とは思っていませんでした。長い人生の中で自分の利用率が変化しているに過ぎません。
 片山さんは言います。「本来の生涯学習とは、老若男女を問わず、仕事をしている人もしていない人も含め、広く万人が対象である。その万人の知的自立を支えるのが図書館本来の使命である」と。
 自治体の運営にあたっておられる、首長さん、議員さん、実務者の皆さんが、図書館の持つ役割や重要性をきちんと認識して欲しい、勉強して欲しいとつくづく思いました。
 たまたま誘われて参加した小野瀬さんの講演会は、私に、宇宙という新しい知識を抱かせ、さらに広く地方自治にまで関心を抱かせることに繋がりました。この講演会が、図書館を考える大津市民の会と北図書館の共催で行われたことは、地方自治を考える時、大変大きな取り組みだったように思います。