「音声読み上げ」を使えるものに

「音声読み上げ」を使えるものに

muca(2025年5月14日)

タンポポとスズメ

 大津市立図書館のホームページは「大津市立図書館」と「大津市電子図書館」がある。
 私はリフローコンテンツで提供される電子書籍をときどき読んでいる。その中の「音声読み上げ」は未完成状態の機能としか思えないのだが、画面を見続けるのに疲れた先日、もう一度試してみた。しかし理解できない箇所が多いのと、抑揚のない音声のせいで根気が続かない。

 やむを得ない事情で、これを辛抱して使っている方はおられるのだろうか。

 音声読み上げは、通常のスピードを1として、遅くする方は 0.75のみがあり、早い方は 1.5、2.5、4の3つのスピードが選べる。だが私は 0.75 にしてもついていけない。聴解力(読解力に似せた私の造語)が弱いので、正確な言葉を推測できた時は、読み手ははるか先へ行っている。

 2桁の数字が入った文章が私にはこのように聞こえた。

 … ほぼしじまんせだいだった。ねんにいっかいせだいこうたいをするとして、ごじゅうまんたらずで …

 画面の文章はこうだった。

 … ほぼ四十万世代だった。年に一回、世代交代をするとして、五十万足らずで …

「ごじゅうまんたらずで」を聴いたところで、「しじまんせだい」と聴こえたのは四十万世代だったと推測できるのは辛い。聴いている途中で意味不明の箇所があると、それ以降が耳に入らない。

 間違った読み方がされても、あまり戸惑わなかったのをいくつか挙げると、次のようなものである。

 みのちち → 実の父、みのふぼ → 実の父母、げんだいひとほど → 現代人ほど、りたくみなむすめで → 利功な娘で、しんらしい → 新らしい、のうくわからなかった → 能く判らなかった

 こういうのは “音声読み上げ” に慣れれば気にならなくなる範疇だろう。

 けれど、「掻きまわそうと」が「きまわそうと」と、「か」が聴き取れなかったときは、文章の理解のキーになる熟語かもしれないと思い、つい目を開けて画面を確かめてしまった。

 また、どういう不具合か、途中で数行が読まれずに飛ばされてしまうことがあり、しかもこれが頻繁に起こる。これは画面を見ていれば分かるが、それでなければわけが分からなくなってしまう。

 読み誤りがないのはルビのある漢字で、それはルビ通りに読まれる。ルビが多いのは目で読む人にはうるさいが、聴く方は助かる。

 ChatGPT で感想文を書かせてみた方が、「今後は(現在の状態での) ChatGPT を使うことはないだろうと思っている」と言われたが、このような文章の作成に AI を使うことを否定するものではないというような考え方が私には理解できない。 AI を使って生成されたものは、膨大な量の既成の著作物が取捨されて磨き上げられた情報をも反映されていると解釈すべきであろう。たとえ参考のために使ってみたとしても、それが自分の創作物に何の影響も及ぼさないと言いきれるはずがないのである。

「音声読み上げ」はそれと全く異なるもので、コンピューター技術を駆使して完成度を高めていくべき道具であると思う。
 視覚が不自由でない人のための、「使えるものなら使ってみてください」レベルの “音声読み上げ” のままにしておいてはいけない。