再読の気楽さ
「図書館を考える大津市民の会」の運営会議のある日。早めに図書館に行って、またまた気楽に読めるものを探して歩く。パソコンを使うやっかいな作業が続いていて、のめりこんでしまいそうなものは敬遠しなければならない。
その小惑星の向かうコースに地球が入っているという深刻な予測がされ、それがどの辺りになるかという予想がはっきりする日が迫っている。しかし、何処に衝突しても地球全体に壊滅的な影響があり、全人類はそれから逃れられないというもの。
主人公である新人の刑事(パレス)が、犯罪なのかそうでないのかも定かでない事件の捜査に集中するという精神力は、やがてやってくる逃れようのない災厄に目を向けないためでもないというのが明瞭なのである。そういう、普通では考えられないような人物を描いているのだが、それを少しも不自然に感じさせないのが再読という冷却効果なのかと思うと面白い。
4冊を選んだのだが、その内の1冊はかなり前に読んだ「地上最後の刑事」だった。半年後に小惑星が地球に衝突するという設定下のミステリーで、ベン・H・ウィンタース著・上野元美訳(早川書房発行)の、アメリカ探偵作家クラブ(MWA)賞を受賞した作品。
その小惑星の向かうコースに地球が入っているという深刻な予測がされ、それがどの辺りになるかという予想がはっきりする日が迫っている。しかし、何処に衝突しても地球全体に壊滅的な影響があり、全人類はそれから逃れられないというもの。
最初に読んだときは、そういう状況設定が、読んでる私を落ち着かない気分にさせてくれるのには苦笑した。
主人公である新人の刑事(パレス)が、犯罪なのかそうでないのかも定かでない事件の捜査に集中するという精神力は、やがてやってくる逃れようのない災厄に目を向けないためでもないというのが明瞭なのである。そういう、普通では考えられないような人物を描いているのだが、それを少しも不自然に感じさせないのが再読という冷却効果なのかと思うと面白い。
同僚の数人の刑事は、そのような災禍が迫っている人間なら当然の、もはや仕事など真面目にやっていられない心理状態なのだが、パレスを馬鹿にしたり邪魔をするのでもなく、どちらかといえば傍観しているのである。
本書はこういう迫りくる壊滅という状況設定で書かれた3部作の1作目である。既にこれを読んだことがある私は、いくら緊迫した内容のものでも、この作中ではその恐怖はまだ先のことだと(筋のほとんどを記憶していない私でも)十分承知している。そのせいで、スリルよりも捜査の進捗から注意を逸らすことなく読めることに(実に当たり前だが)あらためて感心した。
それはそうと、パソコン作業の合間の息抜きにと思っていたのが、何を考えていたのか、またしても読み続けてしまったという、気が散る性分なのかその反対なのか、実に困った私なのである。