プレゼントの本
M・M(2026年4月8日)
時折り、本をいただくことがある。
今回「南方画信」ー時空はるか繪手紙ーを受け取った。
パラパラとめくるに挿画が素晴らしい。
三谷靱彦氏の画である。調べると書籍の装幀や童話の挿絵などもあるようだ。蝋彩画(ろうさいが)を独自に工夫し作られている。蝋彩画とは、切絵に色付けしてから仕上げにロウを施したもので、そうすることで鮮やかな色彩とともに独特の透明感を生み出す独自の発想と工夫によって作られた技法とある。独特で温かみを感じる作品だ。
今回「南方画信」ー時空はるか繪手紙ーを受け取った。
パラパラとめくるに挿画が素晴らしい。
三谷靱彦氏の画である。調べると書籍の装幀や童話の挿絵などもあるようだ。蝋彩画(ろうさいが)を独自に工夫し作られている。蝋彩画とは、切絵に色付けしてから仕上げにロウを施したもので、そうすることで鮮やかな色彩とともに独特の透明感を生み出す独自の発想と工夫によって作られた技法とある。独特で温かみを感じる作品だ。
本文「序に代えて」からを読む。
[岡田建治の最愛の一人娘羊子が大切にしていた父親の遺品「南方画信」が私(岡田建治の大甥)の手に遺されました]
インドネシアで描かれた素朴な古い手書きの絵葉書集、当時の現地の様子を伝える貴重な史料でもあり、このまま埋もれてしまうのは惜しく、知人を頼り相談をするうち、インドネシアに深い造詣がある大学の関係者、また出版舎を紹介され刊行にいたった。
そして、「南方画信」解題
第二次世界大戦中、日本軍占領下のインドネシア、スマトラ島に三年半勤務した裁判官、岡田建治氏が在任中に描き、家族に送り続けていた水彩画を集めたものである…
絵葉書なので短文ではあるが、どれも丁寧な字で書かれている。主に絵の説明文でもある。
数えるに、おおよそ100枚強。
数えるに、おおよそ100枚強。
そのうちの二枚を選んでみた。
ワロン waloen 挿画コーヒーミル(三谷)
ワロンは露天茶店である。簡単な小屋掛にバナナをぶら下げ菓子等を瓶に入れて並べコーヒーを売る。ベンチが二三置かれてある。ブラブラ暇そうな男達が此処へ集ってコッピーをすすり乍ら閑談してゐる。一寸と一杯と云ふ処だが流石回教国丈に酒は出ない。村の路傍等に必ずある。閑人の憩ひの場所、ニュース交換の場所、商人の取引の場所又悪党の集会所ともなる。
紅葉 挿画燕(三谷)
四時なき常夏の国にも住み着けば僅ながら季節の移変りあるを感ずる。ドリアン、マングスチン等は熟する季節がきまってゐる。河口に群れゐた燕も今は見えない。祖国日本の初夏の空へ飛去ったものであらう。一ヶ月ばかり毎日の様に雨の降る時期があるがその頃目に着くのは紅葉だ。総ての木と云ふではないが相当の大木で柏の様な葉が美しく紅葉しはらはら散るを見る。木の名をカタピンと云ふ、青芝に乗ったのは柿紅葉の様に美しい。拾ひ取った一葉を捨て兼ね本の間に挟んでしをりとした。
スマトラに秋はありけり落葉降る 俳号 犀石
添付の絵葉書から現代文に置きかえる作業も、なかなかに時間のかかる作業であったと思われるが…荒んだ心や血なまぐさい出来事に取り囲まれていたであろう戦時中の占領下において、それでもなお、美しい自然や、そこに生きる庶民の日常生活に心を配る人がいたことを伝えることができたなら、私はたいへんうれしく思う…と大学関係者は締めくくっている。
折にふれ、読み返したくなる本を受け取り感謝である。