レファレンス

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けふばあちゃん(2015年10月28日)

 今はなくなってしまった大阪万博公園内の「大阪国際児童文学館」(現在は、府立図書館に間借り状態)、そこへ時々文庫のこどもたちと遠足を兼ねて見学に行っていました。ちょっと大きい子は、円形の書架のまんが本に囲まれて、しあわせそうに座り込んでいました。この図書館のすごいところは、子どもの文化に関するいろんな資料を集めていることで、とても有名でした。
 ある時、私の子どもの頃に好きだった漫画、熱を出して学校を休む時しか買ってもらえなかった少女雑誌に連載されていた中国の女の子の漫画のことが頭の中に浮かんできました。
 長いおさげの女の子とちびちゃんの男の子、それだけしかおもい出せなくて、何という漫画だったのか…? 私のおぼろげな記憶を頼りに尋ねてみました。
「そうですね、この中にありますか?」
 と、司書さんが2・3冊の本を探し出してくださいました。それらを眺めているうちに、
「あった!!これこれ、この女の子!」
「ああ、上田とし子の『フイチンさん』ですね。単行本と雑誌がありますが、どれをご覧になりますか?」と、何冊かの単行本を出していただいたのです。半世紀ぶりの出会いです。
 そうそう、門番の娘フイチンさん、お金持ちのお坊ちゃんがこの子だった。
 そうそう、この坊ちゃんの遊び相手になるんだった。
おてんばで明るくて前向きなフイチンさん。
 そうそう、『少女クラブ』だった。『なかよし』の連載が手塚治虫の「リボンの騎士」、この二つが読みたくて「ああ、熱が出ないかなぁ」と、少女の私は、思ったものだった。
 あの日、もやっていた霧が晴れたような喜び、児童文学館の資料と司書さんに感謝感謝の一日でした。
 レファレンスで思い出す、私のちいさな図書館体験の喜びでした。