送られてきたOB会報

送られてきたOB会報

KEI(2022年6月8日)

 私が卒業した中学・高校男子一貫校のOB会報が送られてきた。卒業した時点で終身会費を支払っていたので現在でも律儀に送ってくれているのだろう。
 同期の人物に関する記事があれば読むことになるが、それ以外の記事はちょっと眺めるだけである。今号では特集として「新型コロナに立ち向かうOB」が掲載されていた。
 テレビ画面でよくお目にかかる関西福祉大学の勝田吉郎教授が「運命のままに漂いながら・・・」、災害派遣医療チームのDMAT事務局次長の若井聡智氏が「武漢チャーター便緊急帰国、ダイヤモンド・プリンセス号から始まった新型コロナ・ウイルスとの闘い」と題した文章を寄稿されていた。後者は面白そうだがタイミングが遅い、前者は老齢の身には参考にはならない、という理屈をつけてチラッと目を通しただけだった。
 その他は関係者の挨拶文、同窓会への思いと期待についてのアンケート調査の結果、「AI時代を迎えて」と題する奈良先端科学技術院大学の中村 哲教授の論考などで編集者の苦労が偲ばれる紙面づくりであった。
 なかでもページを埋めるために苦労されたのだろうと思われる記事が、理科教諭の「ポリティカル・コレクトネスの影響」と著者名が明示されていない「『今と昔』教科書の変更点 皆さんの知識は古い?」であった。この二つは興味深く読んだ。
 前者では生物教師30年を振り返って、教科書の記載内容の変更が具体的に述べられている。かつてメンデルの遺伝を勉強するときに習った「優性」は「顕性」へ、「劣性」は「潜性」へと変わっているそうだ。「優性」や「劣性」は遺伝子として発現する力が強いか弱いかの区別であるに過ぎないのに「優れている」、「劣っている」という誤解を招きやすいということで、変更されたという。
 ヒトに関わる病気名、例えば「血友病」「赤緑色盲」「ダウン症」は差別意識を植え付けるとの配慮から、教科書から削除され、中学・高校では教えないことになったという。しかし、現実には、大学入試の「生物」の問題には、いろいろな病気名が出てきて、考察させていると著者は書いておられる。
 後者では21の項目について、変更前と変更後の表記とその理由が記載されていたが、笑ったのは第26代アメリカ大統領の名前が「ルーズベルト」から現地のネイティブの発音に近い「ローズメルト、ルーズヴェルト」と表記が変わったことである。「ギョエテとは俺のことかとゲーテ言い」を思い出したが、地下でルーズベルトも苦笑しているだろう。
 また、隠れキリシタン発見の方法については、かつては「踏絵」とされていたが、今では「絵踏(えぶみ)」と変わったという。その理由は絵を踏む行為なのだから「絵踏」、踏ませるキリストやマリアの絵が「踏絵」だそうだ。なるほど、なるほど。
 ということで、その後、会報は資源ゴミ回収用の袋に納まった。