秋の七草
「せり なずな ごぎょう はこべら ほとけのざ すずな すずしろ これぞ七草」は春の七草であるが、秋の七草はどう覚えればいいのか。
万葉集の山上憶良の「秋の野に 咲きたる花を指折り(およびをり)かき数ふれば 七草の花」、「萩の花 尾花 葛花 瞿麦(なでしこ)の花 姫部志(をみなへし)また藤袴 朝貌(あさがお)の花」を記憶すればいいのだが、若い頃からどういう理由からかなかなか覚えられなかった。
もっと記憶しやすい方法はないのか、と永年思っていたところ、「おくふかきはな(奥深き花)」と覚えればいいとの文章を見つけた。即ち「おみなえし くず ふじばかま かれすすき ききょう はぎ なでしこ」となる。スマートさには欠けるが、覚えやすい。憶良のいう朝貌の花は桔梗との説が有力だからこれで秋の七草を網羅していることになる。
私のような人もいるのだなあ、と思っていたところ、2021年9月7日の産経新聞朝刊のマンガ「ひなちゃんの日常」(南ひろこ)に秋の七草を「おすきなふくは」と覚える話が書かれていた。
この言葉も秋の七草の頭文字を上手く覚えやすいように組み合わせている。
長らく覚えられなかった憶良の歌も今では苦労することなく口に出せる。ということで「おくふかきはな」も「おすきなふくは」も今の私には用がない。
私がときどき開く昭和32年中央公論社発行の春山行夫著「花の文化史」に、昭和10年に東京の日日新聞が、現代の芸術家と植物学者七人を選んで、新しい秋の七草を選ばせたことがあった、という文章があるのに気が付いた。
春山氏の本には菊池 寛がコスモスを、斎藤茂吉が曼殊沙華を、高浜虚子がアカノマンマを選んだこと以外に誰がどの花を選んだかは書かれていなかったので調べてみた。結果は次のようだった。
菊池 寛・コスモス、与謝野晶子・白粉花(おしろいばな)、永井荷風・秋海棠(しゅうかいどう)、長谷川時雨・葉鶏頭(はけいとう)、牧野富太郎・菊(きく)、斉藤茂吉・曼殊沙華(ひがんばな)、高浜虚子・アカノマンマ(いぬたで)
調べを進めると、同年11月発行の文藝春秋に佐藤春夫が「秋花七種」という随筆(未読)を発表し、その中で、秋の七草として次の七種を選んでいるとあった。
烏瓜(カラスウリ)、鵯上戸(ヒヨドリジョウゴ)、犬蓼(あかまんま)、曼珠沙華(かがり)、釣鐘人参(つりがね)、野菊(ノギク)、水引(ミズヒキ)
「からすうり ひよどりじょうご あかまんま かがり つりがね のぎく みずひき」と覚えやすい。
時代が下って昭和55年、植物学者の本田正次、篠遠喜人らによって選ばれた七草は「見渡せば 今も秋野に乱れ咲く 花かぞおれば七草の花」、「ホトトギス ノギク カルカヤ ヒガンバナ マツムシソウ またワレモコウ リンドウの花」だそうだ。
時代により人により選ばれる花はいろいろだろうが、キクは不動の1位だろう。彼岸花は人によって好き嫌いがありそうだ。コスモスはその可憐さを好む人は多いだろう。アカマンマは地味である。
万葉集の山上憶良の「秋の野に 咲きたる花を指折り(およびをり)かき数ふれば 七草の花」、「萩の花 尾花 葛花 瞿麦(なでしこ)の花 姫部志(をみなへし)また藤袴 朝貌(あさがお)の花」を記憶すればいいのだが、若い頃からどういう理由からかなかなか覚えられなかった。
もっと記憶しやすい方法はないのか、と永年思っていたところ、「おくふかきはな(奥深き花)」と覚えればいいとの文章を見つけた。即ち「おみなえし くず ふじばかま かれすすき ききょう はぎ なでしこ」となる。スマートさには欠けるが、覚えやすい。憶良のいう朝貌の花は桔梗との説が有力だからこれで秋の七草を網羅していることになる。
私のような人もいるのだなあ、と思っていたところ、2021年9月7日の産経新聞朝刊のマンガ「ひなちゃんの日常」(南ひろこ)に秋の七草を「おすきなふくは」と覚える話が書かれていた。
この言葉も秋の七草の頭文字を上手く覚えやすいように組み合わせている。
長らく覚えられなかった憶良の歌も今では苦労することなく口に出せる。ということで「おくふかきはな」も「おすきなふくは」も今の私には用がない。
私がときどき開く昭和32年中央公論社発行の春山行夫著「花の文化史」に、昭和10年に東京の日日新聞が、現代の芸術家と植物学者七人を選んで、新しい秋の七草を選ばせたことがあった、という文章があるのに気が付いた。
春山氏の本には菊池 寛がコスモスを、斎藤茂吉が曼殊沙華を、高浜虚子がアカノマンマを選んだこと以外に誰がどの花を選んだかは書かれていなかったので調べてみた。結果は次のようだった。
菊池 寛・コスモス、与謝野晶子・白粉花(おしろいばな)、永井荷風・秋海棠(しゅうかいどう)、長谷川時雨・葉鶏頭(はけいとう)、牧野富太郎・菊(きく)、斉藤茂吉・曼殊沙華(ひがんばな)、高浜虚子・アカノマンマ(いぬたで)
調べを進めると、同年11月発行の文藝春秋に佐藤春夫が「秋花七種」という随筆(未読)を発表し、その中で、秋の七草として次の七種を選んでいるとあった。
烏瓜(カラスウリ)、鵯上戸(ヒヨドリジョウゴ)、犬蓼(あかまんま)、曼珠沙華(かがり)、釣鐘人参(つりがね)、野菊(ノギク)、水引(ミズヒキ)
「からすうり ひよどりじょうご あかまんま かがり つりがね のぎく みずひき」と覚えやすい。
時代が下って昭和55年、植物学者の本田正次、篠遠喜人らによって選ばれた七草は「見渡せば 今も秋野に乱れ咲く 花かぞおれば七草の花」、「ホトトギス ノギク カルカヤ ヒガンバナ マツムシソウ またワレモコウ リンドウの花」だそうだ。
時代により人により選ばれる花はいろいろだろうが、キクは不動の1位だろう。彼岸花は人によって好き嫌いがありそうだ。コスモスはその可憐さを好む人は多いだろう。アカマンマは地味である。