シャーロッキアン
「英国で最も有名な、小説中の人物三人は?」と聞かれたとき、あなたはどうお答えになるだろうか。ハムレットはすぐに頭に浮かぶが、後の二人はさて?
答はロビンソン・クルーソーとシャーロック・ホームズである。そのシャーロック・ホームズには、彼を実在の人物と見なし、コナン・ドイルの著書を基礎に各種の研究を行うことを趣味とするシャーロッキアンが存在する。彼らはホームズの出身大学、3年の空白期間の活動内容、事件の年代特定などを真面目に推理、研究する。
日本の数多のシャーロッキアンの中で最も有名な人物はおそらく故長沼弘毅氏と河村幹夫氏であろう。前者は米国のシャーロッキアン団体“ベイカー・ストリート・イレギュラーズ”の唯一の日本人会員、後者は英国の“シャーロック・ホームズ協会”のこれまた日本人唯一の会員である。もちろん日本にも“日本シャーロック・ホームズ・クラブ”があり約1,000人の会員が活躍しているという。
この河村幹夫氏の著作になる「シャーロック・ホームズの履歴書」(講談社現代新書)はホームズ愛好家にとってはとても面白い。随所にシリーズの物語中のシャーロック・ホームズや同僚のワトソンの言葉が引用され、絶頂期のロンドンを舞台に活躍した名探偵の素顔を解説している。
ベーカー街221番地Bでのワトソンとの共同生活についても、下宿代の滞納のないことを始め、部屋の状況、朝食、好物などを小説の中から探し出し、当時のイギリス人の生活描写を含め興味深く説明してくれる。
更に、シャーロック・ホームズが生きていた時代のロンドンのあれこれを、具体的にはビクトリア時代のロンドン、警察制度とスコットランド・ヤードと言った硬い問題から霧とガス灯と馬車、パブ、鉄道の状況に至るまでホームズと関連付けての説明は、彼が実在の人物と錯覚させてしまう。
ロンドンのベーカー街の彼が住んでいた建物には番地とパイプを銜えたホームズの横顔を刻印したプレートが張られている。ここは現在は銀行の事務所であるが、今でも来るシャーロック・ホームズ宛の手紙には銀行の担当者が返事を書いているという。そしてその向かいの小さな喫茶店の窓には“Sherlock Holmes must have enjoyed our coffee”(シャーロック・ホームズも当店でコーヒーを飲んだに違いありません)と書いてある。また、ノーザンバーランド・ストリートにあるビクトリア朝スタイルのパブ&レストラン“The Sherlock Holmes”の2階には原作に基づいてホームズの書斎が再現されている。
いずれもイギリス人がいかにシャーロック・ホームズを愛しているか、を示していると考える私もシャーロッキアンの端くれなのだろう。
その端くれの私だが、ベーカー街の彼の下宿の前まで行き写真を撮り、“The Sherlock Holmes”の2階で彼の書斎を眺めながら“ハドソン夫人の何とか”と言う料理を食べたことを白状しておこう。ちなみにハドソン夫人とはホームズの下宿の女主人である。
答はロビンソン・クルーソーとシャーロック・ホームズである。そのシャーロック・ホームズには、彼を実在の人物と見なし、コナン・ドイルの著書を基礎に各種の研究を行うことを趣味とするシャーロッキアンが存在する。彼らはホームズの出身大学、3年の空白期間の活動内容、事件の年代特定などを真面目に推理、研究する。
日本の数多のシャーロッキアンの中で最も有名な人物はおそらく故長沼弘毅氏と河村幹夫氏であろう。前者は米国のシャーロッキアン団体“ベイカー・ストリート・イレギュラーズ”の唯一の日本人会員、後者は英国の“シャーロック・ホームズ協会”のこれまた日本人唯一の会員である。もちろん日本にも“日本シャーロック・ホームズ・クラブ”があり約1,000人の会員が活躍しているという。
この河村幹夫氏の著作になる「シャーロック・ホームズの履歴書」(講談社現代新書)はホームズ愛好家にとってはとても面白い。随所にシリーズの物語中のシャーロック・ホームズや同僚のワトソンの言葉が引用され、絶頂期のロンドンを舞台に活躍した名探偵の素顔を解説している。
ベーカー街221番地Bでのワトソンとの共同生活についても、下宿代の滞納のないことを始め、部屋の状況、朝食、好物などを小説の中から探し出し、当時のイギリス人の生活描写を含め興味深く説明してくれる。
更に、シャーロック・ホームズが生きていた時代のロンドンのあれこれを、具体的にはビクトリア時代のロンドン、警察制度とスコットランド・ヤードと言った硬い問題から霧とガス灯と馬車、パブ、鉄道の状況に至るまでホームズと関連付けての説明は、彼が実在の人物と錯覚させてしまう。
ロンドンのベーカー街の彼が住んでいた建物には番地とパイプを銜えたホームズの横顔を刻印したプレートが張られている。ここは現在は銀行の事務所であるが、今でも来るシャーロック・ホームズ宛の手紙には銀行の担当者が返事を書いているという。そしてその向かいの小さな喫茶店の窓には“Sherlock Holmes must have enjoyed our coffee”(シャーロック・ホームズも当店でコーヒーを飲んだに違いありません)と書いてある。また、ノーザンバーランド・ストリートにあるビクトリア朝スタイルのパブ&レストラン“The Sherlock Holmes”の2階には原作に基づいてホームズの書斎が再現されている。
いずれもイギリス人がいかにシャーロック・ホームズを愛しているか、を示していると考える私もシャーロッキアンの端くれなのだろう。
その端くれの私だが、ベーカー街の彼の下宿の前まで行き写真を撮り、“The Sherlock Holmes”の2階で彼の書斎を眺めながら“ハドソン夫人の何とか”と言う料理を食べたことを白状しておこう。ちなみにハドソン夫人とはホームズの下宿の女主人である。