フロントページ

フロントページ

KEI(2019年1月23日)

 手元にFRONT PAGEという表題の縦32.5cm×横23.5cm×幅2.5㎝ の大部な本がある。記憶によるとこの本は発行後すぐに朝日新聞の書評欄でかなりのスペースを取って紹介されていた。
 偶々この紹介記事の後、ニューヨークへ行く機会があり、その際に購入したという次第。
 内容は、アメリカ合衆国憲法が制定された1787年から1985年に至るまで約200年のアメリカで発行されているいろいろな新聞の第一面が縮小されて掲載されているだけである。解説やコメントは一切ない。
 眺めるとこれが結構面白い。最初の頃の記事には写真がないが、最後の頃には写真がかなりのスペースを占めている。
 この間に起こった第一次、第二次の世界大戦の開戦、原爆投下と第二次世界大戦の終結は当然のことながら取り上げられている。これらの他、私の目を引いたのは、タイタニック号沈没(1912年)、ヒンデンブルグ号爆発(1937年)、1929年に始まった世界大恐慌、ケネディ大統領の暗殺(1963年)、エリザベス二世女王の戴冠(1953年)、アポロ11号の月面着陸(1969年)の記事である。第二次世界大戦と原爆投下とについては4紙の、ケネディ大統領暗殺や月面着陸については3紙のフロントページを載せている。
 何も変わっていない、と感じたのはハリケーンによる被害や銃による事件である。200年の間に起こったこれらの幾つかがフロントページに掲載されていた。
 我が国において、間もなく到来する平成の終わりは、日本が大きく変わった明治元年から丁度150年になる。この明治(45年)・大正(15年)・昭和(64年)・平成(31年)(いずれの和暦においても最後の年は次の和暦の年の元年でもある)で構成される150年について、このフロントページと同じような試みをする新聞社はないだろうか。
 余計な解説はいらない。その年の大きな事件、あるいその年代を代表する出来事を報道した新聞の第一面を縮小して掲載するだけである。1870年には日本最初の日刊紙が創刊されていることから考えて決して無理な注文ではないと思うが。
“明治”で新しい日本が意識され、“大正”では大正デモクラシー、大正ロマン等でそれに少し味付けをし、継続し、第二次世界大戦やバブル経済を経験した“昭和”で大きく変わり、“平成”でそれまでの日本の状況、状態が総括され、再び新しい日本のあり方を考えるようになった、と考えれば、新聞の第一面の記事によりそれを語らせ、今後の進むべき道を考えさせることは意味のあることではないだろうか。