ある読み聞かせの会の話

ある読み聞かせの会の話

 この地に住むようになって、様々な読み聞かせ等の活動を知った。いくつか聴衆として参加させてもらっている。皆さんが、子どもたちの読書活動を支え、さらに自らの活動として邁進されていることに頭が下がる。
 読み聞かせの活動には、声の出し方・抑揚の付け方などグループの信念があると見受けられる。感情移入して本を読むことには反対な方も多い。
 私は、理屈は分からない。
 私の基準は一つ。子どもたちが身を乗り出せば良いと思っている。読み聞かせの原点は、家で母親が子どもたちに読んでいる姿、おばあちゃんが孫達にお話しを語っている姿だ。そこには、理屈は横たわってないように思う。「おばあちゃん、お話し聞かせて」「よおし」の世界だと思う。
 ご縁があって、地域のお話しグループの一員に参加させてもらうことになった。いつか、自分の綴ったお話しを語ることが目標で、最初は「司会」と手遊び担当だ。司会で「みなさんこんにちは」と挨拶するが、そこの反応がいつも楽しみだ。
 十月のある日曜日。そのグループの二回目のお話会だった。
 十一時からお話会が始まり、手遊びや語りや読み聞かせの後は、特別ゲストの登場である。今回は、図書館の館長さんだった。
 館長さんは、英語が上手。「私は、英語で絵本を読めますよ」と図書館での雑談で盛り上がったことがきっかけで、今回のゲストになった。英語での読み聞かせだ。
 大型絵本を使い、タイトルは『はらぺこあおむし The Very Hungry Caterpillar』大型絵本の絵を指さしながら、なめらかにお話は進んでいった。子どもたちは、シーンとなって次の瞬間身を乗り出してきた。エリックカールの素晴らしい絵を見ながら、英語の言葉がまるでバックミュージックのように聞こえていたにちがいない。私は、子どもの様子を見て、うれしくなった。
 様々な本の読み聞かせの会では、英語の読み聞かせもあるそうだけど、「英語の読み聞かせ」「日本の言葉の読み聞かせ」とそれぞれが別になっていてることが多いという。さまざまなメニュー満載の私たちのお話会は、こういう特色なんだと思う。それはそれで楽しい。
 私は、館長さんの英語の読み聞かせのあと、「さあ。クイズだよ、あおむし君は、土曜日に十個のものを食べました。何を食べたかな」とお話をつなぐ役目。土曜日に食べた十個の最後は、「スイカ」だったけど、それを最初に答えた子どもがいた。記憶とは、こういうことなのかなぁと子どもを思った。
 次回の英語の読み聞かせは、来年の二月に行う。さあ、何が飛び出すか。館長さんの選定に任せる。
「今日は、図書館の館長さんが英語で本を読んでくれたよ」きっと、どこかの家で話題になっているだろう。こういうことが、図書館と子どもを近くにすることだと思う。
 本日、大人と子どもで参加者40人近く。「良かったよかった。やる気になるね」と反省会の言葉だった。いくつになっても、誉められて反応がいいということはやる気が生まれることだ。