花いろいろ
私は音楽については全くの門外漢ですが、植物については平均的な同年配の男性よりも比較的詳しく、また多くの花の名前を知っているようです。これは花を育てるのが大好きな妻の影響かも知れません。散歩の途中で私が名を知らない花を見つけ「なんという花?」等と聞きますと多くの場合、正しい答が返ってきます。
朝日新聞社発行の「花おりおり」(湯浅浩史、矢野勇)は、頁の上段に花の写真があり、その下の14字×10~11行、約140字の短い文章で要領よくその花を説明してくれる新書版の本です。
朝日新聞社発行の「花おりおり」(湯浅浩史、矢野勇)は、頁の上段に花の写真があり、その下の14字×10~11行、約140字の短い文章で要領よくその花を説明してくれる新書版の本です。
例えば「ナツツバキ」については
山林にひっそり咲く花だが、庭木として人気上昇中。花はツバキに似るが、葉は異質でつやがなく、冬に落ちる。幹の肌ははげ、サルスベリのよう。果実は五裂し、種子は扁平で、ツバキとは別属。シャラノキの別名は、釈迦入滅に際して白く色を変えた沙羅樹(さらのき、フタバガキ科)と誤認されたためだ。
と私の知識を補足してくれ、「モッコウバラ」については
大勢の人がバラを愛してやまない。だが、棘(とげ)がある。バラ愛好家の手を見て栽培をためらう向きに、この種類をどうぞ。棘がない。花は小ぶりの八重。淡い色調が上品だ。蔓(つる)性でよく茂り垣根にも。年ふればバラ棚も。白花は、黄花には欠ける芳香を持つ。木香(もっこう)の名をいただく由縁だ。
と説明しています。
そして「ニセアカシア」は
そして「ニセアカシア」は
有名な大連や札幌の「ニセアカシア」は、すべて北米産のこの種。本物のアカシアは「ニセ」の蝶型に対して雄蕊(おしべ)が多数丸くかたまって咲き、熱帯に多く寒さに弱い。ニセアカシアは北の風土にしぶとく、韓国では朝鮮戦争で荒れた国土の緑化に役だった。が、伐採しても再生。本来の植生回復を阻む壁でもあった。
と教えてくれます。
このような書き振りで152の花について、その花に関するポイントと小さなエピソードがさりげなく書かれています。今は見ることも少なくなったグラジオラスについては「英名の一つはメード・オブ・ザ・ミスト(霧の乙女)。世界三大瀑布に数えられるアフリカのビクトリア滝の崖に、しぶきを浴びながら咲く原種からついた」、ハスでは「中国では部位によって名が違った。種子が漣(れん)で花は芙蓉(ふよう)、葉が荷(か)、地下茎は藕(ぐう)」、ニッコウキスゲは「花は一日だけ開くといわれていたが、実際は二日花で、朝咲いてそのまま夜を越し、翌日の夕方にしぼむ」といった具合に。
私たち多くの日本人は咲く花やその香りで季節を感じることができます。そしてそれぞれの花の季節に花に関連した行事を行ってきました。花と日本人の生活は密接に繋がっていると思っています。その結果かどうかは分かりませんが、花に纏わる故事や逸話も多く存在します。この「花おりおり」を読みながらこのようなことを考えました。