「監督週間」カンヌ映画祭

「監督週間」カンヌ映画祭

M・M(2025年5月28日)

みどり

 毎年5月に開催される映画祭が本年も開催され、多数の作品が出品された。
 この映画祭の「監督週間」の作品に興味がある。趣旨は以下のようだ。

 監督週間は作家性を持つ監督が世界に出てゆく登竜門的な存在であり、また最も特異で前衛性のある幅広いタイプの作品を紹介することを目的としています

 今回、日本からは二作品が出品されており、その一つは「国宝」である。
 原作は吉田修一氏。私は未読である。今回6月から映画館で上映されるようなので、映画を観てから原作を読む予定である。

 歌舞伎役者の女形として成長する様子が描かれるそうだ。私の表現でしごくあっさりと書くとそうなる。女形と言えば、女性よりも女性らしく…歌舞伎をご覧になる方であれば、思い浮かぶ有名演技者がおられることだろう。私は「あの方」だ。もう、その目にやられてしまっている。妖艶、艶かしい…同じ言葉が連なるがこの表現につきる。

 今回は舞台にたつ歌舞伎役者ではなく、俳優二人を演者にすえ、歌舞伎の作法を長く学び撮影に臨んだようだ。これは凄いことだ。踊りの感覚が良くなければ、一筋縄では演じきれないのではないか。ますます映画を観たくなる。足袋を履き、すり足を覚え…この作品に関わるという事は、一瞬のカット撮影であろうとも、誤魔化しようがないのではないか。

 観る側も背筋が伸びそうだ。なぜなのか、今から緊張をする。歌舞伎座で観た演者を思い出す。その日は偶然、花道のそばから観たので、歌舞伎役者の向う脛の青痣まで見えていた。生々しい姿に息をのんだ。そうだ、生々しいのだ。それが画面の向こうからこちらに向かってくる。

 今回の「監督週間」で鑑賞をした海外の方々の感想はいかがかしら…凄い作品を観たと思って下さっただろうか。歌舞伎について調べて学んで理解を深めて「国宝」(本物)を継承する凄さを胸にとどめてほしいと願った。

 6月は一年でもっとも緑が美しいと思う。水田の稲も根をはり、風にそよぐ。この景色もまた「国宝」だ。願わくば、面が更に広く広く広がってほしい。